派遣社員にペナルティを課すのは違法?

今回は派遣のペナルティについて挙げてみたいと思います。

ペナルティというのはその名の通り罰則です。

労働者のペナルティと言えば、時給を減額されたり罰金を徴収されたりする事を指すケースが多いかと思います。

これから派遣社員として働く予定の人は、派遣でもペナルティがあるのかどうか気になる人もいるかもしれません。

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派遣社員に考えられるペナルティ

最初に結論から言ってしまうと、派遣社員にペナルティが課せられる事はほぼありません。

就業先である派遣先からペナルティを言い渡されるという事もありませんし、派遣会社からペナルティを課される事もほぼありません。

ですが実際にペナルティが課せられたかどうかは別にして、「○○回連続して遅刻をしたから罰金」「無断欠勤をしたから時給を引き下げる」といった事を会社や担当者に言われたという事は耳にする事があります。

 

例えば日雇い系の派遣会社のように毎日のように派遣スタッフが入れ替わる現場や、個人商店のような小さな店舗・零細企業などではこのような独自ルールを設けている会社も未だにあります。

特に派遣社員の中には、常習的に遅刻や欠勤を繰り返す人も一部ではいる事から、派遣会社からペナルティを言い渡されるケースもゼロではないのかもしれません。

 

労働者へのペナルティ・罰金の例

労働者に対して課されるペナルティにはどのような例があるのでしょうか。

例えば

  • 遅刻を1回したら罰金1000円
  • 遅刻合計3回で減給処分
  • 無断欠勤は罰金5000円
  • 書類の記入漏れ・ミスがあった場合には罰金100円
  • お店の備品を壊したから罰金

上記は一例ですが、会社やお店によっては様々な罰金ルールが決められている場合があります。

このように労働者にペナルティを課す事は違反にはならないのでしょうか。

 

ペナルティを課す事は労基法違反

結論から言ってしまえば、派遣社員を含め、労働者にペナルティを課すことは違法となる可能性が高いです。

派遣社員の場合でも遅刻や欠勤をした場合に罰金や罰則のペナルティを課すことは認められておらず、労基法違反となる可能性があります。

労働基準法第16条 賠償予定の禁止

使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、または損害賠償額を予定する契約をしてはならない。

例えば「遅刻をしたから罰金3000円を支払う」といった契約をしておく事は禁止という事です。

もちろん会社が罰金分を勝手に給与から差し引く事も認められていません。

 

ただしノーワーク・ノーペイの原則からしても、会社は労働者が働かなかった分については無給としても当然に問題はありません。

例えば派遣スタッフが1時間遅刻をした場合には、その1時間分の賃金が支払われない事は自業自得という事ですね。

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減給制裁は一部認められている

上記のようにノーワークノーペイの原則から、例えば労働者が1時間遅刻したら会社側が1時間分の賃金を支払わないという事は違法にはあたりません。

ですがそれ以上の減給を行う場合(例:1時間の遅刻で半日分が無給など)には、就業規則に定めをする事により懲戒処分の一つとして減給制裁を行う事が一定の範囲で認められています。

労働者に罰金を課す事は禁止となっていますが、減給のように給料を一部減らすことは一定の範囲で法律で認められているという事です。

その一定の範囲の条件は主に以下の通りです。

  • 総額が1賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えない事
  • 1回の額が平均賃金の1日分の半額を超えない事

ただし繰り返しになりますが、、就業規則上の定めもせずに減給をすれば、それは労働基準法違反となりますので注意が必要です。

 

派遣のペナルティからの二次被害

派遣社員を含め、労働者にペナルティを課すことは思わぬ二次被害やトラブルに繋がる可能性があります。

まずペナルティを課すことで、従業員の間にタイムシートを始めとした改ざん行為などが広がる恐れがあります。

例えば遅刻をしたら罰金○○円といったようにペナルティを課される事で、労働者はそれを回避するためにタイムシートの出勤時間をごまかしたり、改ざんをするようなケースも考えられ、またもしそのような行為が周囲に広がると会社側の大きな損害に繋がる可能性もあります。

参考記事:派遣社員のタイムシートの管理や記入方法は?

 

また以前に大手コンビニエンスストアにて、病気でアルバイトを休んだ女子高校生に罰金ペナルティを課していたというニュースもありましたが、このようにお店や会社側が法律違反を犯すことで周囲や社会的な影響が生じる事も考えられます。

ひいては過度なペナルティが課される事で、お店側のイメージダウン従業員の離職に繋がっていくケースも考えられるでしょう。

遅刻や欠勤を繰り返されるとペナルティを課したくなる会社側の気持ちもわからない訳ではありませんが、やはり違法なペナルティを無理に課すことは会社側にとっても結果的に良い影響を与えません。

 

違法なペナルティは相談を

先ほども挙げたように、派遣社員にペナルティが課される事はほとんどありません。

担当者の口から「ペナルティ」の文字を言い渡されたとしても、それが実際に実行される確率は低いでしょう。

もしペナルティが実際に課されるような事があれば、労基法違反となる可能性が高いです。

 

そのような会社があったとすれば、派遣会社自体を変更することを検討した方が良いでしょう。

大手の派遣会社であればペナルティを課したり、違法行為を働くような事はないと思います。

また条件面で言っても、大手の派遣会社は時給が高めだったり福利厚生が充実している等、働く上で有利な部分も多いです。

せっかく働くのであれば自分にとって少しでも良い条件で働くようにしたいですね。

参考記事:おすすめの派遣会社

今回は派遣社員へのペナルティと違法性について挙げてみました。

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