派遣契約期間と労働契約期間が違うって?

派遣契約期間と労働契約期間が違うって?

 

今回は派遣契約期間と派遣労働契約期間について挙げてみたいと思います。

どちらも似たような契約名称でなんだかややこしいですね。ですがこの2つは全く違う契約に

なります。派遣スタッフが派遣先で働く以上は契約事を始め様々な取決めが存在しています。

その意味や契約内容を理解しておく事によって就業する上でも不利益を被らずに仕事を続けていける

事もあるかもしれません。今回はそんな2つの契約について触れてみます。

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労働者派遣契約と派遣労働契約

さて派遣会社に登録し派遣先で派遣スタッフがお仕事をする上では2つの契約関係が成立しています。

それが労働者派遣契約と派遣労働契約です。まず労働者派遣契約については派遣会社と派遣先が締結

する契約になります。はじめに労働者派遣に関する基本契約書を結び、就業場所や業務・料金等は

派遣する際に個別の契約を締結する事が多いかと思います。

一方で派遣労働契約とは要は派遣会社と派遣スタッフの雇用契約と考えれば良いかと思います。

派遣でお仕事を開始する際には派遣スタッフは派遣会社と派遣労働契約を締結する事になります。

また契約の際に派遣会社からの通知が必要となる書面が、就業条件明示書と労働条件通知書です。

「就業条件明示書」は派遣法により必要とされ、「労働条件通知書」は労働基準法等により必要とされて

います。それぞれを別々に作成していては実務上煩雑になるため、「就業条件明示書 兼 労働条件通知書」

として作成することが一般的です。

労働者派遣契約と派遣労働契約の期間が異なる理由?

さて派遣スタッフとして勤務した事がある人であれば就業条件明示書等を見て、派遣会社と派遣先の

派遣契約期間は1年となっているのに、派遣会社とスタッフの派遣労働契約が3か月等になっている

ケースを見た事がある人もいるのではないでしょうか。どうせなら同じ1年契約にしてしまった方が

便宜上の区切りも良いし、何より長期で働けるのであればその方が良いと考える人もいるのかも

しれません。しかしこれは意図的に期間を短くしているケースが多いのであって、もちろん偶然では

ありません。ご存じの方も多いかと思いますがそもそも企業が人を雇用する上で契約期間を短く設定する

意味の多くは労働法上のリスクを回避する観点からのものである事が多いものです。派遣労働契約が

数か月単位の更新となっているのも、例えば派遣先と派遣会社の契約が解除されてしまったとしても、

だからと言って派遣会社はスタッフを正当な理由もなく解雇する事は出来ません。仕事が出来ない期間は

休業補償の支給や、解雇するにしても予告手当の支給等が必要になってくるでしょう。また解雇を繰り返せば

会社としての社会的信用にも影響が出る可能性があります。ですが期間をあらかじめ短く設定しておけば

期間満了でスタッフに派遣業務を終了させる事が出来ます。派遣会社から見れば更新手続きは多少煩雑に

なったとしても、法律上のリスク回避の方が優先度が高いという事は言えるでしょう。もちろん期間満了

だからと言って本来派遣会社は正当な理由もなく更新を拒否できるものではないのですが、実際には

契約期間満了で簡単に業務を終了させるケースも少なくはありません。派遣スタッフとしては出来るだけ

長期で勤務したいという気持ちがあるかもしれませんが、労働者派遣契約と派遣労働契約の契約期間を同一に

しなければならないルールというものは存在しないので、やはり派遣では今でもコツコツ更新を重ねていく

形が一般的になっています。

派遣スタッフとして勤務する人の中には特に契約関係を意識する事なく勤務している人も中にはいます。

ですが今勤務している派遣先でさえ雇用契約を締結しているからそこに勤務しているのであり、またその

契約内容には様々な取決めが存在します。普段から少しでも契約事を意識する事によって、派遣先の見方や

現場でのスタッフとしての働き方も変わってくるのかもしれませんね。

今回は労働者派遣契約と派遣労働契約の契約期間について挙げてみました。

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