仕事中のネット閲覧は懲戒処分?
仕事中のネット閲覧は懲戒処分?
今回は仕事中のネット閲覧について挙げてみたいと思います。
昔にはネットサーフィンなんて言葉が一時流行りましたが今ではPCだけではなくスマホでも
ネットを閲覧している人が多いものです。自宅にいる時や外出時など、どこでも必要な情報を取り出す
事が出来てとても便利ですね。ですがこれが勤務中のネット閲覧ともなると目を光らせる人も出て
きます。「仕事中にネット閲覧なんてけしからん」なんて派遣先上司に怒られてしまうケースも
あるのかもしれません。
スポンサーリンク
業務量がネット閲覧に関係?
プライベートな内容のネット閲覧と言えば仕事が終わった後や休日の利用・休憩時間中などの利用を
思い浮かべる人もいるのかもしれませんが、最近では仕事中・勤務時間中にもプライベートな目的でネットを
利用している人が多くなっているという声はよく聞きます。もちろん仕事上の情報を得るためにネットを閲覧
するケースも多いかと思いますが、一方では全くのプライベートな目的でネット閲覧を仕事中に行う人も最近
では多いようです。オークション・ショッピングサイト閲覧や自身のブログのアクセス・コメント確認・飲み会の
予約や他社求人サイト検索・まとめサイト閲覧など、明らかに仕事とは関係のない内容のページを閲覧している
ようです。本人も派遣先企業などの会社内ではPCの閲覧ログが残っている事は知っている筈ですが、それさえも
特に気にしていない様子です。私事で恐縮ですが自分自身のHPやブログ等を見ても、やはり平日の日中のアク
セスが多めで、土日のアクセス数は激減します。もちろんサイトの内容にもよるかと思いますが、やはりプライ
ベートな目的での勤務中のネット閲覧は増えており、また昔と比べるとその数は増々増えているように思います。
これはPCだけでなくスマホなど手軽に閲覧できる媒体が豊富にあるという事も理由として挙げられますが、
一方では職場内での仕事量が激減しているという事も理由の1つとして挙げられるでしょう。もちろん建設業
や製造業など今でも人手不足に苦しむ企業や、毎日大忙しのようなオフィスもあるとは思いますが、多くの企業
では以前と比較すると明らかに仕事ボリュームは減っており、機械化・自動化が進んでいく中で今後増々その
傾向は強まると言われています。仕事のオートメーション化が進む一方で職場内での仕事は減っていますが、
それに比例して社員が激減しているという職場は少なく、ただ会社に何となく出社をしては暇な時間を潰すこと
が仕事、、のような風潮になっている社員さんも多くなってきているように思います。また仕事が無い中でも
中には上司の目を気にし「仕事している風」を作る為に無理に書類整理をしたりマニュアル作成をする・
業務に関連のある資格勉強に勤しんでる人もいるのかもしれません。しかしそれにも限界があり、やはり一番の
暇つぶしになるネット閲覧に流れていくのが通常です。会社によっては派遣社員はID権限がないとネット利用
できなかったり、プライベートサイトだけはフィルターがかかっていたり、センター内にスマホ持ち込み不可の
ルールがあったりと、閲覧自体に規制をかけている会社もありますが、とは言えやり方次第でどこからでも
アクセス可能な今の環境から言えば、そのような規制も有って無いようなものなのかもしれません。
派遣社員について考えてみると派遣先上司からすれば「仕事中にネット閲覧なんてけしからん」という怒りが募る
一方かもしれませんが、派遣スタッフからしてみれば「それなら仕事ください」というのも一部もっともな意見で、
特に派遣の場合には派遣先はその日によって派遣スタッフに割り当てるべき仕事が見当たらなかったり日々の業務量に
バラつきが生じる事はよくある事です。中には派遣先上司が多忙だったりすると派遣スタッフに仕事が無い状態
であっても「仕事がない時は座っていてくれれば良い」と内心では考える上司もいたりして、下手にスタッフが
仕事を欲しがる事が逆に派遣先上司の仕事を増やしてしまうようなケースもあります。
暇だからネット閲覧が許されるという事にはなりませんが、それでも適性な業務ボリュームに対しての適性人員
を割り当てるという事はよく考える必要があります。派遣の場合には業務をスタートしてみないとどのくらいの
繁忙度になるか担当者でも中々読めない事もあるものですが、それでも暇な時間のスタッフをどう活用するか等
の計画は事前によく練っておく必要があるように思います。
スポンサーリンク
ネット閲覧等は懲戒処分になる?
さてではこれらのネット閲覧等を社員がした時は懲戒処分(戒告・減給・降格・出勤停止・懲戒解雇など)
にあたるのでしょうか。これらを判断するにはやはり就業規則等でPCやスマホの私用利用の禁止が明確に
されているかどうかが基準になってくるように思います。例えば就業規則の禁止規定等にて「パソコン・
携帯電話などを私的に使用すること」等が定めてあれば処分に値する事もあります。
またなくても企業には一般の服務規律(社員が遵守すべきルールのようなもの)が定められており
社員は、労働時間中は職務に専念し他の私的活動を差し控えなければならないという「職務専念義務」を
負っています。また規律にて「許可なく職務以外の目的で会社の物品・設備等を使用しないこと」のような
規定がある事が一般的ですのでこうした規定に該当すればやはり処分となる可能性も出てきます。
とは言えたった一度のネット閲覧程度でこれらの私用禁止規定や職務専念義務違反で懲戒解雇にまでなる
ケースは稀かと思いますが、それでも度重なる悪質な行為が続けば次回の更新がなされなかったり減給・解雇
処分等の可能性も出てきますのでやはりネットのプライベートな利用は控えるべきと言えるでしょう。
過去に懲戒解雇とされた事例
過去に専門学校の管理職職員が勤務時間中に私用目的でメールを繰り返していたとして、その学校の信用・
名誉を傷つけたとして行われた裁判がありました。(K工業技術専門学校事件:福岡高判平成17.9.14)
これはその教員が学校のPCを利用し交際相手や出会い系サイトの女性と複数回メールのやりとりをして
いたというものです。そして裁判所は控訴審にて「そのほとんどが私的なメールのやり取りであって業務に
関連するものはほとんどなく連日のように複数回メールを送信しその多くが勤務時間内に行われていたもので
あるなど被控訴人の行っていた私用メールは控訴人学校の服務規則に定める職責の遂行に専念すべき義務等に
著しく反しその程度も相当に重いものというほかない。・・・(略)本件懲戒解雇は誠にやむを得ないもの
であってこれが不当に苛酷なものということもできない」と判示して懲戒解雇を有効と判断しました。
これは複数回のメールのやりとり等で懲戒解雇を有効とした判例ではありますが、このように悪質性が高い
と判断された場合には最悪では懲戒解雇等の重い処分も下されるケースがあるという事は考慮しておかなけれ
ばなりません。また併せて今後は仕事から人間の手が離れていき今以上に時間の使い方を工夫していかなければ
ならない事も想定され、会社内を初め暇な時間の人員の活用方法などをじっくりと検討していきたい所ですね。
今回は仕事中にネット閲覧は懲戒処分?について挙げてみました。
スポンサーリンク