短期派遣では社会保険に加入するの?保険料はいくら?
今回は短期派遣の社会保険について取り上げてみたいと思います。
派遣社員のお仕事には長期だけでなく、短期や単発のお仕事もたくさんあります。
短期の場合には、期間限定でお仕事に集中できたり、自分のスケジュールに合わせてシフトを入れられるのもメリットです。
ですがこれから短期派遣を始める方の中には「短期の場合、社会保険に加入するの?」や「社保に加入するのは何か月目からだっけ?」といった疑問を持つ方もいるかもしれません。
今回はそんな短期派遣の社会保険について解説をしていきます。
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短期派遣では社会保険に加入する?
短期派遣の場合、社会保険には加入するのでしょうか。
以下5つの項目について、上から順に加入条件を見ていきます。
- 雇用保険
- 健康保険
- 厚生年金保険
- 労災保険
- 介護保険
雇用保険の加入条件は以下となっています。
- 契約で定めた1週間の労働時間が20時間以上
- 1か月(31日)以上の雇用見込みがあること
つまり短期派遣でも期間が1か月以上の場合には、雇用保険に加入することになります。
逆に30日以内の短期派遣などにおいては加入義務がありません(延長の場合等を除く)ので、雇用保険に加入しておきたい場合には契約期間もあらかじめ確認しておきましょう。
健康保険と厚生年金保険の加入条件は以下のようになっています。
契約で定めた1週間の労働時間と1ヵ月の労働日数が一般社員の4分の3以上であること
最初の契約期間が2か月に満たない場合には加入できませんので、単発仕事などにおいては加入できない事になります。
また上記の条件を満たさない場合でも、以下の条件を全て満たしていれば健康保険・厚生年金保険に加入する事ができます。
- 契約で定めた1週間の労働時間が20時間以上
- 雇用期間が継続して1年以上見込まれる
- 給与額が月8万8000円以上であること
- 学生ではない
- 501人以上の会社、または500人以下の会社でも社会保険加入について労使で合意した会社に勤めている
労災保険の加入条件は、「従業員一人でも雇用している事業所で働いている事」です。
つまり労災保険は全員が加入する必要があり、短期派遣であっても基本的に強制加入という事になっています。
また労災保険の保険料は全額を事業主(会社側)が負担します。
介護保険の加入条件は以下のようになっています。
40歳以上の健康保険加入者全員
上記のように、40歳以上の人は全員が介護保険に加入するようになっています。
短期派遣の場合、社会保険に加入できるかどうか微妙なケースもありますので、しっかりと加入条件を確認しておきたいですね。
POINT「1か月以上の雇用見込みがある場合」は雇用保険の加入義務が、「2か月以上の雇用見込みがある場合」には健康保険・厚生年金保険の加入義務も発生する事を抑えておきましょう
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派遣の社会保険料はいくら?
短期派遣を含め、社会保険料は月にいくらくらいかかるのでしょうか。
ここでは「雇用保険」と「社会保険」それぞれの計算方法について挙げてみます。
以下は雇用保険料率の表です。
引用:厚生労働省「令和3年度の雇用保険料率について」
上記によると、「一般の事業」の労働者負担は3/1000(0.003)となっています。
そのため例えば月の賃金が18万円だったとすると
雇用保険料:18万円×0.003=540円という事になります。
社会保険料は標準報酬月額に保険料率をかけて求められます。
保険料の計算は複雑になるため具体的には取り上げませんが、ここでは参考として派遣会社ランスタッドの「保険料額一覧表」を載せておきます。
上の表を用いて、例えば月の報酬月額が18万円だったとすると、
7650(健康保険)+16470(厚生年金保険)=24120円/月(社会保険料) という事になります。
上述の雇用保険料540円と合算すると、24120+540=毎月24660円程度が給料から差し引かれることになりますね。
また40歳以上の方であれば介護保険も加算する必要があります。
上記はあくまでおおよその参考金額とはなりますが、自分の社会保険料についてもきちんと把握しておきましょう。
POINT一般的に、社会保険料と所得税の合計は給与のおよそ15%程度になることが多い
3か月の短期バイトで社会保険に加入したくない?
派遣社員の方の中には「3か月程度の短期バイトなのに、いちいち社会保険に加入したくない」と不満を漏らす人も稀にいます。
主には、手続きが面倒だったり手取り金額が減ってしまう事が理由のようです。
ですが上述したように、基本的に2か月を超えて働き加入条件を満たす場合には、社会保険に加入しなければなりません。
社保加入は個人の自由という訳ではなく、条件を満たせば必ず加入する必要があります。
そのためもしどうしても社会保険に加入したくないのであれば、2か月未満の短期バイトを選んだり、社員の3/4未満の出勤日数に抑えることが考えられます。
延長など期間の関係上、うっかり社会保険の加入対象になってしまうケースもあるため、自分が加入条件に該当するかどうかしっかりと確認しておきたいですね。
短期派遣の社会保険まとめ
短期派遣の社会保険について幾つか挙げてみました。
派遣の場合、主には派遣期間の長さによって社会保険の加入が決まってきます。
そのため加入条件や扶養の有無・勤務日数など、きちんと把握しておく事が大切です。
短期の場合など判断が難しい場合には、派遣会社の担当者にあらかじめ確認しておきたいですね。
これから短期・単発バイトを始める方はこちらの記事もどうぞ。
参考記事:短期・単発でおすすめの派遣会社は?
今回は短期派遣の社会保険について取り上げてみました。
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