「この求人はさっき埋まっちゃったんですよ…。」はアリ?なし?

驚く女性

今回は派遣会社のよくあるフレーズについて挙げてみたいと思います。

希望の求人を見つけて派遣会社に新たに登録に行った際などに、担当者から時々聞くフレーズがあります。

「この求人はさっき埋まっちゃったんですよねぇ…。宜しければ別の案件を..」

何度か派遣会社に登録に行った事がある人であれば一度は経験した事があるのではないでしょうか。

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色々な”派遣あるある”

辞書の写真

派遣では”よく聞くフレーズ”や、”あるある”とも言えるような出来事がたくさんあります。

例えば「交通費が出ない」「面接が喫茶店(ファミレス)」「ボーナス時期辛い」「社内見学という名の面接」などは派遣あるあるの類でしょう。

そんな中でも派遣会社で登録に行った時によく聞くあるあるフレーズの1つとして「さっき決まっちゃったんですよねぇ…」というものがあります。

お目当ての求人にエントリーして、その求人を取り扱っている派遣会社に来社したものの、ついさっき他のスタッフさんで枠が埋まってしまったというものです。

当然にその求人のお仕事をしたくて登録をしに来社した訳ですから、当人からすれば残念で仕方がありません
いえ、人によっては「またかぁ…」という感じでしょうか。

「お詫びに…」感を出しつつ、担当者さんが他の案件を提示してくれます。

ですが提示された案件は大抵は希望していた求人よりも条件が劣っていたり距離が遠かったりするため決まらず、結局は登録だけをし帰宅するといった流れになる事が通常です。

 

「来社前に連絡してよ」の声

げんこつする写真

他の人で決まってしまったんだったら早めに連絡してくれれば良いのに、と思う方もいるかもしれません。

確かに早めに連絡をしてくれれば無駄な交通費も捻出せずに済みますし、大切な時間を割かずに済みます。

ですがもしその求人が最初からカラ求人の意図で出していたものであれば、当然に連絡など来る筈もありません

カラ求人は新規登録を獲得する為に出す存在しない求人であり、当たり前ですが連絡したら来社してくれない(登録してもらえない)からです。

またこれが上記のように「ついさっき」決まっちゃったというフレーズならまだカラ求人として成立しそうなものですが、「昨日決まっちゃったんですよね」とかざっくり言われてしまうと、だったら昨日か今日の午前中に連絡くれれば良かったのに…と余計に腹が立つことになってしまいます。

 

とある証券会社派遣先の例

ある女性が派遣会社に登録をしに来社しました。

その派遣会社は特に金融・証券系の派遣先に強い派遣会社で、その女性も証券会社での求人目当てに登録をしに来社しました。

彼女は外務員資格も持っていて、エントリーした求人も証券会社の口座開設の事務で、時給も1600円程度とまずまず良い時給です。

10分ほど待ち、女性の担当者が席に現われると、開口一番でお馴染みのセリフを聞いてしまいました。

「今回応募頂いた案件はさっき他の人で埋まってしまいまして…。すみません。別の求人をご用意しますのでもう少々お待ち頂けますか」

彼女は派遣歴が長くないのでそのようなケースは初めてだったのかもしれませんが、代替案として提示された案件は彼女の希望とは異なったため、登録だけ済ませて帰宅しました。

 

何も収穫がない虚無感

派遣会社さんとしても新規登録者を獲得するには必死であり他社との競争も激しいので大変かと思います。

まして登録者確保の為だけに求人誌やネット求人に広告を打つにも料金も高額ですし、カラ求人を打てばそれなりの効果はあると思います。

とは言ってもそのような求人に踊らされて来社してしまった人達の気持ちは、なかなかしんどいものです。

往復で数時間かけて来社したのに、何の収穫も得ずに帰宅しなければならないこの虚無感…。
そんな気持ちで受けたスキルチェックの成績も良いはずがありません。

まして今日のように真夏の炎天下&台風が吹き荒れる日に、カラ求人のために来社したとなれば、家に帰宅してもガックリといった所でしょう。

とは言ってもまだ掲載され続けている求人

ですが上記で登録をした彼女はある事に気付きました。

締め切りをした筈のその証券会社の求人がまだ派遣会社のHPに掲載され続けているのです。

終了した案件であれば通常はページを閉鎖するのは普通。ですがしばらくページは掲載され続けていたと言います。

これもカラ求人の特徴の1つではありますが、登録者がある程度確保されるまでは、しばらくは求人ページが掲載され続ける傾向があります。

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他の業種に目を移せば

しかしこのようなカラ求人の存在は派遣業界だけなのでしょうか。

私の知る限りでは色々な業界で似たような事例はあります。

ご存知の方も多いかと思いますが、似た事例としては例えば不動産業界なども似たような部分があります。

HPやポータルサイトに掲載されている物件を見て取り扱い不動産会社に連絡をし、「この物件まだありますか」と問い合わせると、「まだ空いていますよ。詳細は店舗にてご説明しますのでご来社ください」といった例です。

実際に来店してみると「この物件は昨日他の借主さんが決まってしまいまして..。」とか「空いてはいるんですけど下の階がスナックなので騒音で暮らしにくい」等、後付けの理由や事情が色々とくっついてきます。

 

もちろん人材のカラ求人と不動産のおとり物件では全く話の内容が異なりますが、それでも消費者や求職者を誤認させて誘導する動きというのは様々な業界で見られます。

また他業種と比較しても実害が少ないからか、カラ求人等に関してはまだまだ指摘や指導が緩やかな印象があります。

 

架空求人で営業停止処分の例

派遣業界で架空求人により処分が下されたのは数少ない例ではありますが、以前に営業停止処分命令が出されたケースがあります。

求人雑誌に架空の求人情報を掲載したとして大阪労働局は人材派遣会社(S社)の7支店に対し、職業安定法などに基づき事業停止命令を出した。
同社はハローワークにも架空の求人を出していたが、担当者が見抜けず受理していた。架空求人をめぐり行政処分が出されるのは全国で初めて。
労働局によると、同社は少なくとも昨年1月から平成26年2月までの間、派遣先と派遣契約を結んでいないにもかかわらず、求人雑誌やインターネットに47社291件の虚偽の求人情報を掲載。うち108件はハローワークに偽造した契約書を提出するなどして虚偽の求人情報を出していた。

架空求人で処分が下されたのは珍しいケースですが、派遣業界では実際にはこれは氷山の一角とも言われています。

派遣法を始め、労働関係法も厳格化が増してくる中、今後同様に架空求人にて処分等が下されるケースが増えてくる可能性はあるのかもしれません。

 

カラ求人の目的

カラ求人の目的は先にも書いたようにやはり登録者を増やす事が第一の目的です。

特に中小零細の派遣会社にとっては派遣先に紹介する人材がいなければ商売にならないので、まず新規登録者の確保に専念する傾向があります。

大手だからと言ってこのような求人が無いとは言い切れませんが、どちらかと言えば中小の派遣会社にはこのような風潮が見られる節があります。

また他の目的として、「宣伝目的」のカラ求人もあり得ます。

例えばハローワークなど掲載無料の媒体については、無料で社名や事業をPRする目的でカラ求人を打つとも考えられます。

また当初から採用する気があまり無かったとしても、良質な人材(若年の人材・スキルが高い人材など)が集まった場合のみ採用に動くという目的でカラ求人を打つというケースもあるでしょう。

 

ですがもちろん全てがカラの求人とは言い切れないという部分もあります。

「さっき他の人で埋まってしまいました」と言われても、もしかしたら本当に他の人で埋まってしまった可能性もあるからです。

内部に精通している人からすれば求人内容を見ればある程度は「カラ」かどうかは見分けが付く場合があるものの、一般のスタッフさんからすれば見分けるのはほぼ困難です。

断られたからと言って全てがカラ求人とは限らず、スタッフさんからしても見分けが付きにくいという部分もあります。

 

カラ求人の見分け方?

虫眼鏡で見る写真

他になにかカラ求人を見分ける方法はあるのでしょうか。
これを見分ける事ができれば登録者さんも無駄な労力を割かずに済みますね。

 

ですが残念ながら決め手となるようなカラ求人の見分け方は存在しません

よくカラ求人には「未経験OK」の職種が多いとか「大量募集」はカラ求人だという意見もありますが、中には本当に未経験OKや大量募集をしているケースもあります。

「ずっと掲載され続けている」というのは確かにカラ求人を見分ける要素の中では信憑性が高いものではありますが、とは言っても長期的に募集している案件も実際にあるので、これも100%カラ求人とも言えないでしょう。

またカラ求人は「あからさまな高条件が多い」とも思われがちですが、意外に微妙なラインを付いてくる(相場並みの時給で掲載する等)カラ求人も多いので、これも決め手とはなりません。

残念ながら結局は来社してみないとはっきりとは分からないのがカラ求人であり、逆に言えばだからこそ手法として以前から長く使われ続けているのかもしれませんね。

 

“保険”でも買ったと思うしかない

カラの求人を見分ける手立てがない以上は、ある意味では派遣登録をする際には、カラ求人を掴んでしまう可能性は誰にでもあるという事になります。

もちろん架空の求人など掲載していない派遣会社が殆どではありますが、登録者側がそれを見分ける方法がない以上は、その可能性は排除できません。

 

それでは実際に架空の求人を掴んでしまったとしたら、登録者はどのように気持ちの整理を付ければ良いでしょうか。
登録のために交通費も時間も割いていますので納得がいかない気持ちになる人も多いかと思います。

 

このような時は個人的には、先々の”保険”を買ったと思うしかないと思います。

今は希望に沿った求人がなかったとしても、先々に自分が失職した時や、転職活動が上手くいかなかった時、もしかしたらその派遣会社に相談をしたら良い案件を紹介してもらえるかもしれません。

登録だけ済ませておけば、とりあえずは緊急時でも派遣会社は仕事を紹介してくれます。
今日は無駄な出費としか思えなかったとしても、先々にお付き合いをする会社さんになるかもしれないですしね。

 

少し無理やりな気持ちの決着の付け方ではありますが、自分にとって良い方向で考えて、前向きに次のステップへ向かうようにしましょう。

今回は「この求人はさっき埋まっちゃったんですよ…。」の件について挙げてみました。

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