障害者も派遣社員として働ける?
障害者も派遣社員として働ける?
今回は障害者の派遣について挙げてみたいと思います。
障害をお持ちの方々の中にはお仕事探しに苦労をされている方もいるかと思います。自分が希望
するお仕事になかなか就けなかったり仕事数が限られている・派遣先側に障害者受け入れの体制が
必要な場合など、障害者雇用は難しい部分もあります。しかし最近では派遣会社だけではなく派遣先
としても障害者雇用に対して理解を示している企業が増えており、障害者の雇用求人を中心に取り扱う
派遣会社まであるようです。
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企業の障害者の法定雇用率
従業員50人以上を抱える事業主は障害者を雇用しなければならない義務があります。
また事業主は、障害者雇用率制度により、その雇用する労働者に占める身体障害者・知的障害者の割合が
一定率以上(法定雇用率以上)になるよう義務づけられています。法定雇用率は以下の通りです。
一般の民間企業: 2.0%
国、地方公共団体、特殊法人等:2.3%
都道府県等の教育委員会: 2.2%
つまり企業は「自社の雇用労働者数×上記の障害者雇用率」の人数だけ障害者を雇用する義務があるという事に
なります。雇用労働者数には算定に条件はあるものの、正社員等の無期契約だけでなく、アルバイトやパート
の有期契約の労働者も含みます。例えば自社(民間企業)の従業員が500人だったとしたら、
500人×2%=10人以上の障害者を雇用する義務がある事になります。
またこれらの雇用にあたる「障害者」の定義とは「身体障害、知的障害又は精神障害があるため、長期にわたり、
職業生活に相当の制限を受け、又は職業生活を営むことが著しく困難な者」を障害者としています。
派遣会社だけではなく、派遣先としても上記のような法定雇用率の適応を遵守する方向で進んでいる傾向があります。
厚労省の資料からも、雇用障害者数は 43 万1,225.5 人、実雇用率は1.82%と、雇用障害者数・実雇用率ともに
過去最高を更新しており、今後も改善傾向が進むように思われます。
障害者専門の派遣会社の活用
もし障害者雇用の求人を探すにあたり、派遣会社を活用するのであれば、派遣会社選びにも多少の工夫が
必要です。一般の派遣会社であれば障害者雇用の求人数自体が少なかったり、障害者受け入れにあたり
派遣先との連携体制が整備されていない可能性もあります。一方で大手の派遣会社では障害者雇用に力を
入れている派遣会社も多くあります。例えばテンプスタッフでは「フロンティアチャレンジ」として
障害者雇用において転職・就職のサポートをしていますし、パソナでも「パソナハートフル」として
障害者雇用に取り組んでいます。これらの大手会社のように障害者雇用枠を取り扱っている会社から
求人を探すのも一手かと思いますし、その他の会社でも障害者雇用を専門に取り扱う派遣会社も増えて
きているので、いずれも検索をかければ数社ヒットするかと思われます。
また派遣会社だけに限定せず、今までのようにハローワークや地方自治体のHP・障害者専門求人サイト・
大学等の学校関連の求人票・一般経済誌・NPO法人の就労支援・福祉事務所からの紹介等、
普段から幅広く情報収集を心がけることが希望の求人に巡り合う可能性を高めるでしょう。
直接雇用が多くなることも
障害者の方々に向けた求人においては派遣会社に登録をしたとしても、一般的な期間限定の派遣仕事よりは、
社員雇用の紹介や、紹介予定派遣の紹介など、将来的に直接雇用を前提とした求人を紹介される事が多いように
思います。やはり企業としても一定の雇用率を保つ義務がある以上、有期よりは無期契約で就業することを
求められるでしょう。また無期の直接雇用と言っても正社員だけでなく、契約社員・嘱託社員・短時間勤務契約など
様々な雇用形態で働くことを求められる場合もあります。
登録に関しては一般派遣と同様に費用はかからない会社が殆どですが、大抵の派遣会社では障害者手帳を持って
いるか、その申請中でないと受付ができない事も多いので、事前に準備しておくようにしましょう。
また一般派遣以上に、障害者雇用ではまだまだ未整備な環境も多く、職場見学等を通じて自分がその環境で長期間
仕事をしていけるかどうか、自分が出来る事と出来ない事の線引きの確認など、事前に職場とじっくりとすり合わせを
しておく必要があります。
障害者雇用は現在でも倍率が高く、企業側も実際には採用するつもりがない求人を出すようなケースも目立ち、
障害者の方々としては地道に新しい求人や紹介された求人にコツコツ応募をしていくより他ありません。
これらの障害者求人を専門に取り扱う会社であれば、仕事紹介数が多くなるだけではなく、障害の特性
に合わせた仕事紹介や、カウンセラーの定期的な巡回・相談受付をしてもらえる等、幾つかのメリットはあります。
また障害者枠では肉体仕事よりは事務等のオフィスワークが中心となってくるので、派遣会社側のキャリア
アップ研修等を通じて、普段から自分なりのスキルを磨いておくのも一手でしょう。気になる会社があれば
複数重複して登録しておくのも良いかもしれませんね。
今回は派遣会社の障害者雇用について挙げてみました。
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