タイムカードの打刻し忘れで給料カット?

タイムカードの打刻し忘れで給料カット?

 

今回はタイムカードの打刻し忘れについて挙げてみたいと思います。

最近の勤怠時間管理はPC上やセキュリティカードで行っている会社も多いものですが

今でもタイムカードの打刻を採用している会社も多いものです。

特にアルバイト先等ではタイムカードによってアルバイトやパートさん達の勤怠を行っている

お店や会社がまだ多いのではないでしょうか。

タイムカードの打刻が大切な事は理解してはいるものの、急いでいたりするとどうしても

打刻を忘れてしまうケースはあるものです。また厳しい会社やお店では打刻のし忘れがあると

その分減給や給料カットを行っている会社もあると聞きます。そのような事は許されるのでしょうか。

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タイムカード打刻忘れした時の制裁

さてタイムカードを押し忘れたと一言に言っても会社によってそれに対する制裁内容はそれぞれかと思います。

例えば罰金を課す会社もあれば、給料の一部をカットする会社、打刻がない時間外賃金は支払わない

会社など、対応は会社によりけりかと思います。ここでは2つのケースについて検討してみます。

①タイムカード打刻し忘れで罰金○○円

例えばタイムカードを押し忘れたら罰金1000円等の制裁を加えている会社やお店もあります。

お店側からすれば従業員に反省の気持ちを持ってもらう為の措置かもしれませんが、その額もかなり

過大な罰金額が設定されているケースもあります。またそもそも罰金を定める事は労基法にも違反

しています。

労働基準法 第十六条

使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。

この規定によっていくらタイムカードの打刻をし忘れたとは言え、あらかじめお店が罰金額を設定しておく

事は違法行為という事になります。

②タイムカードの打刻し忘れが懲戒処分による減給

タイムカード押し忘れによる給料カットが単純な罰金ではなく、懲戒処分による減給制裁であった場合には、

まず会社の就業規則等にその旨の記載がなされている事が前提となります。確かに会社側はタイムカードの

適正な打刻により労働時間を正確に把握する必要がありますので、タイムカードの押し忘れが何度も続く

ような場合には懲戒処分(減給)にされてしまう事は考えられます。とは言ってもその額は限定的であり、

減給制裁に関する労基法91条を見ても

就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、一回の額が平均賃金の

一日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならない。

とされており、この額を超える事はできないと考えられます。例えば平均賃金で1日のアルバイト給料が

4千円であった場合、その半額の2千円を超える減給は認められないという事になります。

罰金にしても減給制裁にしても簡単に認められるものではありませんし、認められたとしてもその

金額には限度があると言えます。

会社側・労働者どちらも配慮が必要

タイムカードの打刻は勤怠管理のツールとして利用されてきましたが、しかしそれだけに頼って

管理をする事は危険です。労働者の打刻忘れだけではなく、不正打刻などが行われる可能性・

会社側が打刻させた後にサービス残業を強いる可能性など、打刻時間だけでは判断できない不正が

行われる事も十分に考えられます。会社側としてもこうしたタイムカードの不正打刻や労働時間の

虚偽申告に関しては、就業規則に懲戒事由として定め、労働者に周知徹底させることが大切です。

また労働者がタイムカード打刻を忘れない為にも、カード打刻を業務に組み込んだり朝礼時に打刻させる・

職場入口に目立つようにレコーダーを設ける等、労働者が打刻を忘れないようにする配慮も必要かと

思いますし、労働者側としても同僚同士で注意し合う・月ごとにタイムカードの管理者を決める等、

普段からカード打刻を忘れないように注意する意識が必要になります。

タイムカード打刻は出勤時・休憩時・退勤時のちょっとした1作業ではありますが、その打刻漏れや

ミスから大きな問題に繋がるケースも少なくありません。毎日の作業ですから打刻忘れはないように

したいものですね。今回はタイムカード押し忘れで給料カット?について挙げてみました。

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