派遣料金が減額されると給与も減額される?

派遣料金が減額されると給与も減額される?

 

今回は派遣社員の給与の減額について挙げてみたいと思います。

派遣社員として勤務していく中で派遣会社の方から「来月から給与を減額します」と突然言われたら

皆さんならどうするでしょうか。給与の額によって生活もかかっていますので慌ててしまう人も

多いかと思います。またこの減額の理由が、例えば自分が派遣先で損害を発生させてしまった等、

自分のせいで減額をされるのであればまだしも、派遣先が派遣会社に支払う派遣料金が下がったから

という理由や派遣会社のマージン率の変更等、自分に責任がない理由により給与を減額されたら

納得できないと感じる人も多いのではないでしょうか。

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派遣会社はマージン率・派遣料金を明示する義務がある

以前はマージン率や派遣料金というのは非公表である会社も多かったので、派遣スタッフさんとしては

「派遣料金からどのくらいのマージンが取られているのだろう」と疑問に感じていた方も多かったと

思います。しかし2012年に派遣法が改正された事により派遣会社としてもマージン率や派遣料金を開示

する事になり、雇入時や派遣開始時・派遣料金額の変更時には派遣料金の明示が義務化されています。

マージン率は各社違いますが、平均としては25~35%前後のマージン率となっている派遣会社が

多いように思います。マージン率が高いからと言って必ずしも悪徳な会社という訳ではなく、その

マージン率の中には派遣会社の教育研修費や福利厚生費・社会保険事業主負担分なども含まれているので

マージン率だけでその会社の善し悪しを決める事はできません。ただしこのマージン率や派遣料金が変更に

なったからと言って、派遣スタッフの給与を引き下げるという事になれば、それは問題になってきます。

給与減額にはスタッフの同意が必要

派遣料金が変わるという事は珍しい事ではありません。もちろん日常的に頻繁に変わる事は少ないですが、

派遣先にも人件費予算がありますのでケースによっては派遣料金の変更を派遣会社側に申し入れる事も

十分に考えられる事です。また派遣会社としても派遣料金が変更になった際にはその旨を派遣労働者に

明示する義務がありますが、明示したからと言って労働者本人の同意なく勝手に給与まで減額する事は

当然許される事ではありません。

また法律の観点で言っても労働基準法では第11条にて賃金においての定めがあり、24条において

賃金支払の5原則を定めています。この5原則の中に「賃金は「全額」支払わなければならない

(全額払いの原則)」とあり、事前に契約で定められた賃金を減額して支払う事はこの原則に違反して

いる事になり労働基準法違反と言えます。また賃金をどうしても引下げする合理的な理由がある場合には

事前に詳細な説明をした上で、且つ労働者の同意が必要になり、勝手に派遣会社が給与を引き下げるような

事は許されません。派遣労働者としては説明理由に納得ができないようであれば同意をせず賃金カットを

拒否した上で相談窓口やユニオン・労基署等の専門機関に相談する事も考えられます。

自分が派遣先に損害を与えてしまった場合

さてでは派遣スタッフ本人が派遣先に損害を与えてしまった事により、派遣会社より時給の引き下げを

申し入れられたケースではどうでしょうか。ケースとしては派遣スタッフの業務上のミスにより派遣先の

取引先との関係に支障が出てしまったり現場で作業上のミスで他人に怪我をさせてしまった場合など、

様々なケースが想定されます。

派遣社員が勤務する以上は派遣先は指揮命令を行う権限があり、派遣会社は雇用主という立場があります。

派遣元はもちろんですが派遣先としても管理者としての責任があり、事故自体は派遣社員が起こしたもの

だったとしても、その事故を事前に防止する策が講じられていたか否かや就業環境に問題がなかったかどうか

・派遣会社もスタッフのスキル適性に合わせた就業先に派遣していたか等も総合的に勘案して責任割合を

決定すべきと考えられます。また実際の問題や過去の判例を元にしても損害が生じたからと言って

損害額の全額をスタッフに負担させるケースは稀であり、通常は派遣会社と派遣先で損害を負担するようになる

事が殆どかと思います。またその損害が明らかに派遣スタッフの不注意から起こったものであっても、資力に

限界があるスタッフに請求できる金額は限定的でしょう。また損害が発生し派遣会社が一時的に補填したとしても

その後に派遣スタッフの給与を勝手に引き下げたりする事は許される事ではありません。

労働者には法的にも手厚い保護があるので給与の減額は簡単には認められない風潮はありますが、

しかしだからと言って普段の仕事に手を抜くようでは考え物です。普段から責任感を持って業務に励み、

日頃からトラブル発生の防止にも努めたいものですね。

今回は派遣社員の給与減額について挙げてみました。

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