派遣の顔合わせはほぼ採用?フラグが立たない理由とは

今回は「派遣の顔合わせはほぼ採用かどうか」というテーマについて取り上げてみます。

派遣のお仕事を始める前に実施される事が多い派遣先企業との「顔合わせ」。

本来は特定行為を目的とする派遣の面接は禁止されておりますが(労働者派遣法26条)、現在でも顔合わせと称して実施されているケースがあります。

また巷では「顔合わせまで進んだら採用されたようなもの」「顔合わせまでして落ちることは無い」といった噂もあるようです。

実際の所はどうなのか、今回はそんな「派遣の顔合わせはほぼ採用かどうか」について触れていきます。

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派遣の顔合わせはほぼ採用?

派遣社員が顔合わせまで進んだ場合、それはほぼ採用と考えて良いのでしょうか。

当サイトでは以前に派遣社員の方々に、顔合わせ結果についてアンケートを実施しました。

※派遣の顔合わせ結果アンケート 2021年2月調査

アンケート結果では、就業前に顔合わせが実施されたのが63.3%・顔合わせ後に採用された人が82%に上ることが分かりました。

つまり調査上では、顔合わせまで進んだ場合にはおよそ8割を超える派遣社員がほぼ採用に至っている事が分かります。

筆者としては7割程度の採用率をイメージしておりましたが、想像以上に顔合わせ後の採用率が高いことが分かりました。

 

ですが考えてみれば、これは当然の結果と言えるのかもしれません。

派遣社員の事前面接は元々禁止されていますし(選考するのはNG)、既に派遣会社内の社内選考を勝ち抜いてきたスタッフが顔合わせに進んでいる事が多いため、顔合わせ結果がほぼ採用となるのは自然の事とも考えられます。

つまりこの段階まで進んでいる人はスキルや過去の経験・人柄など、既に一定の採用水準に達しており、顔合わせはあくまでお互いの最終確認やすり合わせ程度に留まるケースも多いと思われます。

 

ですが実際には顔合わせまで進んでも不採用となった経験を持つ派遣社員は多くいます。

顔合わせまで進んだとしても「ほぼ採用されたようなもの」と気を抜くことなく、最後までしっかりとやり遂げるようにしましょう。

 

派遣の顔合わせにフラグは立たない?

よく就職面接やアルバイト面接では、「不採用フラグ」といった話題が上がることがあります。

例えば以下のようなものは不採用フラグと言われているようです。

  • 面接官がそっけない
  • 面接が短時間で終わった
  • 入社後の具体的な話をされない
  • 採否の連絡が遅い
  • 面接官がメモを取らない
  • 履歴書を返還された etc..

他にも派遣の不合格フラグとして「エレベーター前までで帰された」「営業担当者の様子が落ちていた」なんて言う話もあるようですね。

面接中に上記のような事があると、応募者としては「もしかして落ちたかも..」と落ち込むケースも多いようです。

 

ですが結論を言えば、派遣の場合には不合格フラグと言われるものは殆どありません。

その理由を挙げてみます。

 

面接官がそっけない

アルバイトや就職面接のような一対一の面接とは異なり、派遣の顔合わせでは隣に派遣会社の担当者も付き添ってくれている事が殆どです。

そのため企業側の採用担当者が無愛想なことや、そっけないという事はほとんどありません。

 

面接が短時間で終わった

確かに顔合わせが短時間で終わってしまう場合もあります。

ですが時間が短い理由として、「採用されることが前提だから」というケースも多々あります。

そのため短時間で終わったからと言ってそれが常に不採用という事にはならず、これも派遣の不合格フラグとは言えないでしょう。

 

入社後の具体的な話をされない

顔合わせ中はあくまで過去の職歴や仕事の話が中心となり、入社後の話をしないといったケースは珍しくありません。

むしろ入社後の具体的な説明をされるのは、顔合わせが終了した後、派遣会社の担当者からの採用連絡時に説明される場合も多いかと思います。

 

採否の連絡が遅い

顔合わせが終わった後に、採否の連絡が遅れてしまう場合も多くあります。

「競合他社がある」「担当者が忙しい」「他の応募者の面接が終わっていない」等、採否連絡が遅れてしまう可能性は十分にあり、これも不採用フラグとは言いにくい所です。

 

面接官がメモを取らない

顔合わせ時には、派遣先企業の担当者が1人の場合もあれば、複数の場合もあります。

特に担当者が1人の場合には話をする事が中心となり、メモを取るケースは少ないと言えます。

また顔合わせはあくまで派遣会社が用意したスキルシートを元に進められるため、担当者がメモを取らないことも多々あります。

 

履歴書を返還された

顔合わせにおいては年齢や性別など相手を特定する行為は禁止とされており、派遣会社がスタッフの履歴書を派遣先に送付することも禁止されています(紹介予定等を除く)

履歴書があるとしてもそれは派遣会社に保管されているものであり、顔合わせ時において返還といった問題はそもそも生じないでしょう。

 

以上のように派遣の場合には不採用フラグは少なく、あったとしても中々判断しにくいことがあります。

ですが採否が決まる前から不採用フラグを気にしていても仕方がありません。

自分が今できる事に集中をして、少しでも採用に近づけるように努力をしておきたいですね。

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派遣の顔合わせで不採用にするのは違法?

派遣の顔合わせで不採用にするのは違法にあたるのでしょうか。

実際に顔合わせ後に不採用通知をもらった経験がある人もいるかと思います。

 

結論から言えば、これは違法という事になります。

前述したように派遣労働者を特定する行為は禁止されています。

不採用にするのが違法というよりは、事前面接をすること(派遣先が選考をする事)自体が違法と言えるでしょう。

労働者派遣法26条第7項

労働者派遣(紹介予定派遣を除く。)の役務の提供を受けようとする者は、労働者派遣契約の締結に際し、当該労働者派遣契約に基づく労働者派遣に係る派遣労働者を特定することを目的とする行為をしないように努めなければならない。

 

もし派遣先が面接をして派遣労働者を選ぶことが許されてしまうのであれば、それは派遣先企業が直接雇用において選考をしている事と何ら変わりはありません。

本来、雇用契約は派遣会社と派遣社員で締結するものであり、派遣先企業と派遣社員の雇用関係まで成立してしまうと、それは二重雇用になってしまう可能性もあり、職業安定法にも抵触する可能性が出てきます。

 

ただし上記に「努めなければならない」あるように、このルールは努力義務となっています。

したがってルール違反があったとしても、明確な罰則までは見当たりません(行政の指導対象になる恐れは有り)

そのため派遣の顔合わせで不採用になるのは違法となる可能性はありますが、実際には選考目的での面接が行われているケースもあるのが現状と言えるでしょう。

 

派遣の顔合わせはほぼ採用?まとめ

派遣の顔合わせ時の採用・不採用について幾つか挙げてみました。

実際に顔合わせまで進んだ場合には、8割程度の割合でほぼ採用と言えるケースも多いかと思います。

そのためある意味では、派遣会社の社内選考を勝ち抜くことが最初の難関と言えるのかもしれません。

ですが顔合わせまで進んだとしても、あまりにも印象が悪ければ不採用となってしまう可能性はあります。

最後まで気を抜かずに採用を勝ち取るようにしたいですね。

今回は派遣の顔合わせはほぼ採用?について取り上げてみました。

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