派遣先都合の休業命令が出た?

派遣先都合の休業命令が出た?

今回は派遣先都合による休業命令について挙げてみたいと思います。

もし突然派遣先から休業命令が出た場合、スタッフさんはかなり困惑するかと

思います。仕事はどうなってしまうのか・今後の生活はどうなってしまうのか

といった不安がよぎる事でしょう。また派遣の仕事量というのは日々流動的な事

もあり、いつこのような事態が起こるか誰にも予測は出来ません。あらかじめ

不測の事態を考慮しておく事も大切です。

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派遣先都合の休業命令が出た?

実際の現場でも派遣先都合の休業命令が出たという経験を持つスタッフさんも

割りと多いかと思います。例えば「手違いがあり仕事がなくなった」「会社の

システムダウン等により仕事不可」「資材の調達が間に合わない」「経営上の

トラブル」等のように派遣先の都合で仕事が出来ない状態のため、スタッフさん

に休業命令が出るといったケースです。派遣スタッフさんは仕事に行く意欲がある

のに派遣先の都合のために仕事が出来ないというのは困ってしまいます。

スタッフさんとしては以下のような対応を考えていかなくてはなりません。

相談相手と休業手当

まず改めて確認しておきたい事は、いくら派遣先都合による休業だとは言え、

賃金の支払い義務は派遣元会社にあるという事は念頭に考慮しておく必要があります。

雇用契約の相手は派遣先ではなく派遣会社になりますので請求等も派遣会社に

対して行っていく事になりますし、今回の休業についての対応方法や説明も

派遣会社に対して求めていくべきと言えます。

天変地異等のケースを除き、派遣先都合による休業命令が出た時など、

会社の都合によって労働者が就業できない場合には、会社側は労働者に休業手当を

支払う事になっており、休業手当として平均賃金の60%以上を労働者に対して

支払わなければなりません。もしくは別の派遣先の紹介を求める事も可能

でしょうし、他職場の紹介も出来ないといった止む負えない場合には30日前の

解雇予告または解雇予告手当が必要になるケースもあるでしょう。派遣先都合による

休業であり、かつ労働者(スタッフ)は就労の意志があるので、そのような理由で

給与をカットされたのでは労働者の生活が保障されない事からこれらの手当が請求

できるようになっています。これはもちろん派遣社員という形態であっても同様です。

いずれにしても前提は契約書がどのような記載になっているかが基本となって

きますので、まずは契約書でどのような記載になっているかをよく確認し、

また派遣元会社の担当者に休業理由などの説明を求め、休業手当や保障・

今後の仕事などについて具体的に話を進めていく事が求められます。

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派遣先の休日による休業

それでは派遣先が社内で休暇を取るといった場合はどうなるでしょうか。

例えば年末年始などに派遣先職場が休暇となる場合や、夏休み・お盆休み等の休暇・

派遣先が特別な行事等で休暇を取るといったケースです。

これもやはり契約書が判断の前提になっており、お仕事開始時に渡されている

就業条件明示書等の記載に従って判断をしていく事になります。例えば契約書に

派遣労働者の特定の休日の記載があればその日は派遣労働者の休日になりますし、

もしくは派遣労働者の休日は派遣先の休日に準ずる等の記載があればそれに従う

事になるでしょう。

ですがこのように前もって休日が定められている場合はまだしも、臨時的に(急に)

派遣先が休暇を取るといったケースもあります。この場合には派遣スタッフだけ

でなく派遣会社としても頭を悩ませられる事もあり、スタッフに支払う休業手当の

損失分を派遣先が負担してくれるのかどうか・その数日間の休暇の間のスタッフの

仕事の割り振りの仕方など、判断に困ってしまう事もあります。また派遣元と

派遣先の交わした契約書等の内容と照らし合わせても判断が微妙になるケースも多く、

他の短期的な職場を紹介できるのか・休業手当の支給・スタッフの有給の適用有無

等を考慮しつつ実際の状況を踏まえて判断していく事になるでしょう。

なかなか判断が難しいケースもある休業についてではありますが、派遣先(派遣元)

から休業を言い渡された時には休業理由やそれに対しての保障・今後の仕事の紹介

など、お互いに冷静に話を進めていくようにしたいですね。

休業期間中にアルバイトはできる?

さてではもし休業を言い渡されて休業手当の支給を受けている時、その間に

アルバイト等の他のお仕事をする事は出来るのでしょうか?

手当をもらって休んでいるのにその期間中に別のお仕事をするなんて、、と

なんだか罪悪感みたいなものを感じてしまう人もいるのかもしれません。

もしくは逆に休業手当の金額が低いからその金額穴埋めとしてアルバイトをしたい

と積極的に考える人もいるでしょう。

基本的には休業期間中とは言っても就業時間外であるので、その時間にアルバイト

しようがそれは労働者側の自由という事になります。労働者のプライベートな時間

を会社が拘束できるものではなく、別の仕事をしても問題はないという見方が

強く、それは派遣社員であっても同様です。もちろん公序良俗に反するアルバイト

や違法性のある仕事・競合他社にあたる企業でのアルバイト等はやってはいけま

せんが、一般的なアルバイトであれば法律的には問題はないと言えそうです。

ですが一般的な企業では今でも就業規則等で副業禁止を唄っている会社は多い

ですし、別の仕事をする際には事前申告を必要としている会社もあります。

派遣社員の場合には副業・兼業についての縛りが実際には緩い会社も多いですが、

やはり休業という特別な事情がある訳ですからどうしてもアルバイトをする際には

派遣担当者等に相談した上で行うようにしたいですね。

今回は派遣先都合による休業について挙げてみました。

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