派遣の26業務廃止で今後はどうなる?個人単位の期間制限とは

今回は26業務に就いていた人の今後について挙げてみたいと思います。

26業務という言葉について聞きなれない人もいるかもしれませんが、簡単に言えば26業務というのは専門性の高い26種の業務を指しています。

これらの26業務は以前は期間制限がなく長期間働くことが出来ましたが、2015年の派遣法改正時には業務区分による期間制限がなくなり、26業務でも3年の期間制限を受けるようになりました。

今後26業務に就いていた人達は今後どうなっていくのでしょうか。

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専門26業務ってなに?

ここで26業務について簡単に整理をしておきます。

26業務というのは前述したように専門性の高い26種の業務の事を言います。

以下のような職種が26業務として挙げられています。

①ソフトウェア開発 ②機械設計 ③放送機器等操作 ④放送番組等演出 ⑤事務用機器操作 ⑥通訳・翻訳・速記 ⑦秘書 ⑧ファイリング ⑨調査 ⑩財務処理 ⑪取引文書作成 ⑫デモンストレーション ⑬添乗 ⑭建築物清掃 ⑮建築設備運転・点検・整備 ⑯案内・受付・駐車場管理等 ⑰研究開発 ⑱事業の実施体制等の企画・立案 ⑲書籍等の制作・編集 ⑳広告デザイン ㉑インテリアコーディネーター ㉒アナウンサー OAインストラクション ㉔テレマーケティングの営業 ㉕セールスエンジニアリングの営業 放送番組等における大道具・小道具

 

26業務の廃止はいつから?

それでは26業務の廃止はいつから実施されるのでしょうか。

2015年9月30日施行の派遣法改正時に26業務の廃止(派遣期間規制の見直し)が盛り込まれています。

2015年9月の派遣法改正の概要は主には以下の通りです。

 

  • 派遣期間規制の見直し(26業務廃止)
  • 均衡待遇の推進
  • 雇用安定措置の義務化
  • 派遣労働者のキャリアアップ推進を法令化
  • 全ての労働者派遣事業を許可制へ

 

2015年の派遣法が改正される前から派遣されていた方に対して、改めて3年後に抵触日が設けられたため、完全に26業務が廃止されるのは2018年9月30日となっています。

これは派遣における「2018年問題」とも言われています。

 

派遣の2018年問題とは?

2018年問題とは前述した2015年9月の派遣法改正と、2012年の改正労働契約法が関係しています。

 

 2015年派遣法改正

2015年派遣法改正前から26業務で働いていた人たちは期間が一度リセットしています。

そして2015年9月30日の改正時から3年が上限となっている為、2018年9月30日が経過日という事になります。

もし経過日を迎えると、

①派遣を終了させる(雇い止め)

②派遣先で直接雇用される

③派遣会社で無期雇用される

といった選択肢を迫られる事になりますが、実際には派遣先も人件費が増えるのを懸念し直接雇用したくないのが本音でしょうし、派遣会社としても同様でしょう。ですがとは言っても派遣を簡単に雇止めする事もできず、社会的な問題となっています。


 

 2012年改正労働契約法

2012年の改正労働契約法では、5年「無期転換ルール」が定められており、2013年4月1日以降に有期労働契約を締結・更新した場合、5年後の2018年4月1日から労働者が申し込みをする事により、有期契約から無期への転換を申し入れることができます。

有期契約で通算5年を超える労働者が無期契約への変更を申し込んだ場合、原則として会社側はそれを拒否することができません。

2018年問題は派遣先・派遣会社・派遣スタッフの全てが関わる問題として注目されています。

 

26業務の廃止の変更点は?

それでは専門26業務の廃止により何が変わるのでしょうか。

変更部分を簡単に表にまとめてみます。

2015年派遣法改正前2015年派遣法改正
派遣期間の制限がない
業務及び条件
政令26業務廃止
産前産後休業、育児休養、介護休業を取得する労働者の業務継続
日数限定業務
派遣期間の制限がある
業務
自由化業務26業務と自由化業務という分類がなくなる

 

※ただし以下の人はこの改正から例外として除かれます。

  • 派遣元に無期雇用されている場合
  • 60歳以上の場合

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事業所単位・個人単位の期間制限

また2015年の派遣法改正では、26業務の廃止と共に、「事業所単位の期間制限」「個人単位の期間制限」という点に関しても考慮しておく必要があります。

これまでの専門26業務による区分がなくなったと同時に、今までの「業務単位」での期間制限も廃止されることになりました。

新しい期間制限のルールとして、派遣先となる「事業所単位の期間制限」と、派遣労働者である「個人単位の期間制限」という2種類の制限が適用されています。

変更点としては

  • 派遣先が事業所単位で派遣労働者を受け入れられる期間は原則3年になった
  • 個人単位の期間制限として、一つの組織単位(課など)で働けるのは最長3年までとなった

 

これによりもし3年を超えて派遣社員として同じ仕事をしたい場合には、別の派遣先で働くか、もしくは組織を変えなければならないことになります。

なぜ今までは26業務は期間制限がなかったの?

それではこれらの26業務は今までなぜ期間制限がなかったのでしょうか。

確かにこれらの26業務には自由化業務のような期間制限がありませんでした。

 

なぜ期間制限がなかったのかと言えば26業務は仕事の専門性が高く、その人の知っている知識や身に着けた技術等によって仕事の出来が大きく左右されてしまうような場合、派遣法で指定している3年という期間制限をつけると職場にも不都合が生じる可能性があるため、期間制限がありませんでした。

また今では26業務にまで増えましたが30年ほど前の昔には13の専門業務にしか派遣の仕事は認められていませんでした。

正社員の仕事が、一時的、臨時的な仕事の派遣労働に取って代わられる恐れがあると考えられていた為です。

しかし社員に真似できないような専門的な業務であれば仕事が奪われるおそれはないだろう、ということで、専門業務の派遣期間には期間制限が設けられなかったという事情もあります。

ですが実際には

  • 26業務と自由化業務との区分が実際には曖昧だった事
  • 制度内容が複雑で分かりずらかった事
  • PC等の発達で社員でも専門的な業務をこなせるようになった事
  • 雇用期間の制限がない為、半永久的に派遣社員を雇用し続けられた事

 

などの理由があった事から、2015年の派遣法改正時に26業務が廃止となりました。

 

専門26業務の廃止で今後はどうなる?

ではこの26業務がなくなる事でどのようなリスクが生じる事になるのでしょうか。

まずは26業務も期間制限が最長3年となる事で、雇用契約を打ち切られる「雇い止め」が常態化してしまう可能性が出てきます。

その結果26業務に就いていたスタッフ達は転職を繰り返さなければならなくなる事になるかもしれません。

 

派遣先が無期雇用に応じてくれればまだ良いですが、そのような企業は少数でしょう。

有期契約であればやはり3年を超えて同じ職場で働く事はできなくなりますのでその度に何度も転職を余儀なくされる事になります。

また26業務はその専門性ゆえに行政によるチェックが都度入っていたものですが、今回の区分撤廃によりそのようなチェックが機能しなくなる可能性があります。

ひいては派遣スタッフが契約と違う業務をやらされる等、派遣スタッフの労働条件が今まで以上に悪化していくケースも想定されます。

 

また派遣先企業も3年ごとに人を変えればずっと派遣社員で賄えることが可能になり、今まで正社員雇用を希望してきた派遣スタッフも、今後さらにその門扉は狭くなる事が予想されます。

今までに26業務で働いていた人たちは50万人以上いるとされており、その人たちが将来的に一斉に職を失い、また転職を余儀なくされる可能性があるリスクが生じる可能性もあります。

また26業務で働いていたスタッフ達は、例えば1つの会社で15年~20年と身を粉にしてきたベテランスタッフも多く、このような中高年のスタッフ達が契約解除された後に、果たして今までと同等の職に就く事ができるのかどうかといった懸念も生じる事でしょう。

 

26業務廃止と派遣切り

そもそも、企業が派遣社員を雇う理由としては様々な理由がありますが、やはり人件費を抑えたいという理由が一番大きいと考えられます。

26業務で就業している50万人以上の派遣社員がもし派遣切りされたとなれば、その社会的な影響・インパクトは計り知れないものがあります。

現実的には「派遣で雇えないなら雇用を打ち切る」ケースさえ考えられるという事です。

 

また派遣法改正だけでなく、労働契約法改正においてもパート社員など有期雇用で働いてきた労働者が雇い止めを受けるケースさえも考えられます。

もちろん企業側は簡単に雇止めができる事はなく正当理由が必要とされますが、会社によっては多少強引な手段に出ないとも限りません。

従業員としては会社側との交渉法的手続きも視野に入れられますが、必ずしも納得のいく結果が得られるとも限らないでしょう。

26業務の廃止や労働契約法改正をきっかけに、今一度自分自信の仕事についてじっくりと考えてみる時期が来ているのかもしれません。

 

派遣の26業務廃止のまとめ

さて今まで26業務の人たちは今後どうすれば良いのでしょうか。

前述してきた通り、26業務も期間制限を受ける事になり、事業所単位と個人単位でそれぞれ 3 年の期間制限を受ける事になります。

まず確認しておきたい事は、前回の派遣法が改正された2015年9月30日以前の契約が現在も継続しているのかどうかを確認しておく必要があります。

法改正以前の契約が今もなお継続している場合は、その時の期間制限の例によることになっています。

そのため契約が更新されるまでは期間制限なく派遣社員としての雇用が続くことになり、契約が更新された段階で今回の新法の適用を受ける事になります。

 

一方で事業所単位では、契約更新の時から3年で期間制限に抵触する日になりますが、スタッフの個人単位の抵触日は契約更新した日から3年を経過した日となります。

事業所単位では派遣期間を延長することが可能なのですが、個人単位では延長は出来ないため、やはりスタッフ自身は契約更新の日から3年で、別の派遣先でのお仕事を探したりその会社内で部署移動をするなりの選択を迫られる事になります。

 

2015年の派遣法改正時には3年超の場合の雇用安定措置も図られており、派遣先に直接雇用を依頼したり、派遣会社が無期雇用に応じるような内容の案も含まれてはいますが、実際問題として派遣先に直接雇用を依頼したとしても、その依頼を派遣先に断られたらそれで終わりですし、派遣会社も自社内で多くの派遣スタッフを抱えているのにわざわざコストのかかる無期雇用に応じるとは少し考えにくい部分もあります。

今まで26業務に就いていた人たちは、自分自身で雇用の道を模索していく努力も今まで以上に必要になってくるでしょう。

また専門職が多いだけに自身でフリーランスとしての道を開拓していったり、その分野の専門スキルを構築していく努力が求められていくのかもしれませんね。

今回は派遣の26業務の廃止について挙げてみました。

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