派遣先責任者は必ず選任する必要がある?

派遣先責任者は必ず選任する必要がある?

 

今回は派遣先責任者について挙げてみたいと思います。

派遣として就業をするにあたり雇用契約書等を派遣会社から配布されるかと思います。

その書類の内容を全て目を通しているスタッフさんは少ないかもしれませんが、契約にあたり

様々な事項の記載があり、また併せて派遣先責任者の記載もある筈です。

普段あまり派遣先責任者の事は意識しないかもしれませんが、派遣先も派遣労働者を管理するにあたり

派遣先責任者を中心に法令を遵守する体制を整備し、現場に管理体制をつくる事が求められます。

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派遣先責任者は必ず選任する必要がある?

さてではこの派遣先責任者はどのような場合でも必ず選任されていなければならないのでしょうか。

派遣法ではこの派遣先責任者について以下のように定めています。

派遣先責任者は派遣元責任者に対応するもので、必ず選任しなければなりません(派遣法第41条)。

また、派遣先責任者の人数については派遣先事業所ごとに受け入れ派遣労働者1人以上100人以下を

1単位とし、1単位につき1人以上ずつ、派遣先が雇用する労働者の中から選任しなければなりません。

ただし、派遣労働者の数と当該派遣先に雇用される労働者の数の合計が5人以下のときは、派遣先責任者

を選任しなくてもよいことになっています(則第34条)。

つまり派遣先は派遣労働者100人につき1人以上の派遣先責任者を選任しなければなりませんが、

派遣労働者と派遣先が雇用する労働者の数をあわせて5人までであれば、選任義務は無いことになります。

また、物の製造業務に51人以上の派遣労働者を従事させる事業所は、物の製造業務に従事する派遣労働者

100人当たり1人以上の製造業務専門派遣責任者を選任しなければならない事になっています。

派遣先責任者になる為の資格や条件は?

派遣先責任者になる為の資格というのは特別にはありません。しかし以下のような者を責任者として

選任するように努める事とされています。

・労働関係法令に関する知識を有する者であること、

・人事・労務管理等について専門的な知識又は相当期間の経験を有する者であること、

・派遣労働者の就業に係る事項に関する一定の決定、変更を行い得る権限を有する者であること等、

派遣先責任者の職務を的確に遂行することができる者

派遣先責任者の業務内容は?

派遣先責任者の業務には幾つか考えられますが、主だったものには下記が挙げられます。

・派遣スタッフの勤怠の管理

・苦情処理

・派遣法等の法律、派遣契約内容などの周知

・派遣元への派遣受入期間の通知、連絡・調整など

・派遣先管理台帳の作成・記載・保存

・安全衛生に関する連絡調整等

派遣先責任者と指揮命令者の違いは?

では派遣先責任者と指揮命令者の違いはどこにあるのでしょうか。何となくのイメージでは

同じような役割を担っていると感じている人も多いかと思います。

大まかにこの2つの違いを挙げるとすれば派遣スタッフ達と常に接していられる立場・状況にあるか

どうかという事はポイントの1つとして挙げられるかと思います。指揮命令者というのは極端に言えば

業務の方向性や仕事の指揮命令が出来さえすれば、その場にいなくても役割自体は果たす事はできます。

しかし派遣先責任者は派遣スタッフの就業管理や労働環境など、職場全般を管理する立場にある者を

指すことが一般的で、管理する以上は常に傍にいてスタッフを見ている事ができる環境下にある事が

条件とも言えるでしょう。特に前述のように派遣スタッフの勤怠の管理(派遣先管理台帳の作成、記録、

保存及び通知)は派遣先責任者の重大な業務であり、常駐形態でないとその実態を正確に把握する事は

難しく、派遣先責任者はやはりスタッフを傍で見ていられる者が望ましいと思われます。

派遣先責任者と指揮命令者は同じような意味合いで用いられるケースも多いものですが、その責任の違い

から用語の使い方にも注意を払う必要があるでしょう。

今回は派遣先責任者を選任する必要はある?について挙げてみました。

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