派遣の初回契約はなぜ2か月?

今回は派遣の初回契約について挙げてみたいと思います。

派遣社員として勤務した経験がある人であればわかるかと思いますが、派遣の初回契約は2か月程度である事が多いです。

もちろん1か月の契約である事や最初から3か月契約になっているケースもありますが、派遣では初回契約は2か月になっている事が多くあります。

それでは派遣会社が2か月と設定しているのは何か理由があるのでしょうか。

今回はこの初回契約の2か月について触れてみます。

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理由は社会保険加入が関係してくる為

派遣社員の場合には社会保険に加入できないのでは?とイメージする方もいるかもしれませんが、加入条件を満たしていれば派遣社員であっても当然に社保に加入することになります。

派遣社員の社会保険の加入条件は主に以下の通りです。

  • 所定労働時間・所定労働日数が、派遣会社の一般社員の4分の3以上であること
  • 2ヵ月を超えて使用されること

 

また上記の所定労働時間・所定労働日数に満たない場合でも、以下の条件を全て満たす場合には対象になります。

  • 1)1週間の所定労働時間が20時間以上
  • 2)1年以上の雇用が見込まれる
  • 3)月額の賃金が88,000円以上
  • 4)会社の従業員数が501人以上

 

派遣会社が初回契約を2か月以内で設定しているのは、「2か月を超えると社会保険加入の条件に該当する為」という理由が多いでしょう。

社会保険費は派遣会社とスタッフが折半で負担する事になっており、初月から加入されてしまうと派遣会社の利益分が減ってしまいます。

特に週5フルタイムのスタッフが加入すれば派遣会社が負担する社会保険費は2万円を超える事も多く、その分会社の利益を圧迫します。

また例え派遣スタッフが契約満了前に退職してしまったとしても社会保険費としては一定額が差し引かれる為、派遣会社としても収支がマイナスになってしまいますし、派遣スタッフとしても手取りが少なくなるリスクもあります。

 

派遣の社会保険加入は3か月後?

前述したとおり、初回を2か月契約としているのはスタッフを社会保険に加入させない為であるケースも多く、ひいては社会保険に加入させない事で派遣会社の利益率を少しでも上げたいという意向があるかと思います。

そのため初回の2カ月程度の就業を終えてからやっと社会保険に加入できる事になり、派遣の場合は社保加入は入社から3か月後となるケースも少なくありません。

 

確かに厚生年金保険法12条には被保険者に該当しない者の条件が記されており、その条文を参照しても2か月以内の雇用契約の場合には保険加入しなくても良いと捉えられるような記述があります。

厚生年金法12条2号

「臨時に使用される者(船舶所有者に使用される船員を除く。)であって次に掲げるもの。

ただし、イに掲げる者にあつては一月を超え、ロに掲げる者にあつては所定の期間を超え、引き続き使用されるに至った場合を除く。

イ 日々雇い入れられる者
ロ 二月以内の期間を定めて使用される者

上記を見る限りでは、「ロ」では確かに「二か月以内の期間を定めて使用される者」と記されており、2か月未満の雇用であれば社会保険には加入しなくて良いと考える事が出来そうな気もします。

確かに2ヶ月以内の有期雇用であれば、スタッフを社会保険の被保険者とする必要はありません。

 

しかし本来、上記の条件は2か月以内に雇用契約が終了する事を前提にされたものであり、派遣社員の場合には例え初回が2か月契約であったとしても、それ以降契約の更新を繰り返していく事が普通です。

このような形態は派遣会社とスタッフの間に継続的な使用関係があると認められ、短期のような有期雇用の臨時的な使用関係と言えません。

 

より具体的には、派遣会社から配布される雇用契約書(就業条件明示書)の「更新の有無」欄には以下のような記載があると思います。

  1. 「自動的に更新する」
  2. 「更新する場合があり得る」
  3. 「契約の更新はしない」

上記の3のように、「契約の更新はしない」となっており、それが2か月以内の契約であればスタッフを社会保険に加入させる必要はありません。

ですが1・2の場合には有期雇用とは断定できないので、派遣会社は雇い入れ日からスタッフを社会保険に加入させる必要があるように思われます。

 

そのためもし派遣会社が「初回は2か月以内の契約だから2か月間は社会保険加入なし」と言ってきたとしても、スタッフ自身が加入を望めば派遣会社はそれを断ることは出来ません。

社会保険は加入条件を満たしていれば強制加入が基本ですので、条件を満たしているスタッフさんは加入するようにしましょう。

 

尚、初回2か月の期間が経過すると、その後は3か月程度の契約期間で更新を続けていくケースが多いかと思います。

3か月更新が多いのは派遣会社が四半期ごとにスタッフの評価や派遣先との交渉をするケースが多い事や、万一の解雇時などの1か月前の解雇予告期間や休業期間を考慮するため・また前述の社会保険加入期間を加味して3か月程度に設定している派遣会社が一般的かと思います。

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社会保険に加入する代わりに時給を下げる?

さて悪質な一部の派遣会社の中には社会保険加入をする代わりに時給を下げるといった措置を取る会社もあるようです。

本来社会保険費は事業主とスタッフが折半で負担する事が通常ですので、その事業主負担を少しでも逃れるためにスタッフの時給を下げ、その分を社会保険費に充当するといったやり方です。

または社会保険加入を条件に交通費をカットしたり、社会保険加入ありのコースと加入なしのコースに分けて時給額をスタッフに決めさせる等の方法を取る派遣会社も今でも時々見かけます。

 

一見合法のようにも見える人もいるかもしれませんが、社会保険加入を条件に賃金をカットするという事は、見方を変えれば保険料の事業主負担分をスタッフに負担させているとも考えられます。

またスタッフの同意なく本来の保険料負担分以上の金額を給与から天引きする事も労基法の全額支払いの原則からしても許されるものではありません。

 

このような派遣会社は以前と比較すると少なくなってはきましたが、まだまだ同様の事象が時々見受けられます。

またこのような悪質な派遣会社がまだ一部で存在する以上は、派遣スタッフとしても事前に契約条件を慎重に判断をする必要があります。

労働条件通知書就業条件明示書等を確認し、保険加入がなされないようであれば会社側に請求し、それでも加入できないようであれば社会保険事務所で手続きを自分で取る事も検討出来るでしょう。

 

バブル期以降、派遣会社の業績も厳しい時代が続いており、特に今回の派遣法改正で中小の派遣会社は増々運営が厳しくなっていくように思います。

派遣会社としても利益を追求する以上はコストカットを余儀なくされる事は多いものですが、それをスタッフの社会保険にまで転嫁させる事は許される事ではありません。

一方で派遣先やスタッフとしても自分が加入条件を満たしているか・きちんと加入が出来ているか等、細かくチェックしていく配慮が求められます。

 

派遣を2カ月で辞めるのはアリ?

それでは派遣スタッフが2カ月以内で辞めてしまうのは問題ないのでしょうか。

先にも書いたように初回契約は1~2ヵ月程度の契約期間が設定されている事が多く、その期間内に辞めるといったケースです。

派遣スタッフは派遣会社と雇用契約を結んでおり、本来であればその期間中はきちんと就業し、契約期間を守ることが大前提です。

もし契約期間中に無断で辞めるような事があっては、それは契約違反とも言えます。

 

ですが実際としては、派遣スタッフの中には初回の契約期間満了前に退職をしてしまう人も少なくありません。

派遣という形態は雇用主と職場が異なるという少し特殊な働き方でもあり、実際に職場に行ってみたら条件と違った・思っていたイメージと異なる・契約以外の仕事を任されるといったケースは多々起こり得ます。

長期前提の仕事であっても、会社に耐えられなくなって初回の契約期間中に退職を申し出る人も多くいます。

 

派遣会社の対応としてはその会社によって様々ではありますが、例えばスタッフに退職せざるを得ないような「やむ負えない事情」があった場合には、期間満了前でも退職を認めてくれる事が多いです。

例えば病気により療養・長期通院が必要になってしまったり、転勤で引っ越しをする場合など、勤務の継続が困難とみなされる場合には退職手続きを進めてくれる派遣会社も多いかと思います。

 

一番やってはいけない事は無断退職であり、何も言わずに連絡もせずそのまま姿を消してしまう事です。

もしどうしても辞めたいと思った場合には、まずは派遣会社に相談をしてみるようにしましょう。

 

派遣の社会契約はなぜ2カ月?まとめ

派遣の初回契約について幾つか挙げてみました。

派遣の初回契約は社会保険等の事情により1~2ヵ月程度に設定されているケースが多いものです。

派遣スタッフさんの中には契約内容をほとんど確認せずに契約書等を放置している人も意外に多くいます。

自分がどのような契約条件の元で働いているのか、しっかりと理解をした上で就業するようにしたいですね。

今回は派遣の初回契約と社会保険について挙げてみました。

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