もっぱら派遣の禁止って?
もっぱら派遣の禁止って?
今回はもっぱら派遣について挙げてみようと思います。
もっぱら派遣?という言葉を聞いた事がない人も多いかもしれません。
主には大手のグループ企業系の派遣会社に危惧される事が多い形態ですが、私たち派遣社員に
とっても決して無視できる問題ではないのかもしれません。
もっぱら派遣とは
もっぱら派遣とは人材派遣を特定の派遣先だけに限って行う事を言います。
例えばある派遣会社Aがあるとすればその提携先会社Bや子会社Cだけに人材を派遣し
その他の企業へは人材を派遣しない等のケースがもっぱら派遣として挙げられます。
これは1社のみに限定して派遣する事を禁止するのみではなく、複数のグループ数社に限定して
派遣する場合等ももっぱら派遣として禁止されています。
もっぱら派遣の判断基準
もっぱら派遣の判断基準として、以下のものに該当する場合はもっぱら派遣としてみなされる
可能性があります。
・定款・寄附行為・登記簿の謄本等に事業の目的がもっぱら派遣である旨の記載がなされている
・派遣先の確保のための努力が客観的に見られない
・人材派遣を受けようとする依頼に対して、特定の者以外からの依頼を正当な理由なく拒否している
なぜもっぱら派遣がいけない?
派遣会社が自社の提携先や子会社だけに限って派遣する事がなぜいけないのか?と疑問に感じる人も
いるかもしれません。しかしもっぱら派遣が自由に行われるようになってしまうと、企業側は
本来正規雇用等で自ら雇用するべき労働者を雇用しなくなる可能性があり、外部の提携先や子会社を
専用の労働供給先として扱えるようになってしまいます。またケースによっては正社員を派遣会社に
移籍させた上で改めて派遣労働者として当初の業務に従事させる等が行われる可能性もあり、
派遣事業が不当な人事の手段として利用される可能性もあります。
もっぱら派遣にあたらない場合
ただし例外もあり、特定の派遣先に派遣する場合でも、その派遣労働者の30%以上が60歳以上で
ある時はもっぱら派遣にはあたらないとしています。人材不足や少子高齢化に伴い高齢者の積極的な
雇用が求められる中で、実際には仕事に就きたくても付けない高齢者や若手への技能継承の問題・
短時間勤務の活用等、様々な問題やニーズがあり、企業側としても中高年労働者の積極的な活用が
期待されています。
改正派遣法
ただし実際には派遣労働者を扱う派遣会社としても派遣労働者をどの程度、特定の企業に派遣すると
違法になるのかが曖昧な部分もあり、また明確な判断指標が示されていなかった事から取り締まりが
機能していないとの声もありました。
そこで平成24年の改正派遣法では「関係派遣先への労働者派遣の制限」としてこれをより明確に規制し、
関係派遣先への派遣割合の報告を義務付け、関係派遣先への派遣割合を「100分の80以下」になるように
法律で義務付けました。併せて派遣元事業主には、事業年度終了後3ヵ月以内にグループ企業への派遣割合を
報告することが義務付けられています。
もっぱら派遣は私達派遣スタッフにとっては直接的な関わりが薄い場合もありますが、グループ企業
系の派遣会社に登録する際には将来的な正規雇用の可能性や派遣先の選択肢という面でも関係してきます。
また今後中高年の人口割合が増える事は必至で人材派遣を始め、中高年の雇用機会の確保には
関心が集まっています。普段からの仕事だけではなく、時にはこのような派遣社員を取り囲む環境に
目を向けてみる事も今後に役立っていくのかもしれませんね。
今回はもっぱら派遣について挙げてみました。
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