社会保険に加入する代わりに時給を下げられた?

社会保険に加入する代わりに時給を下げられた?

 

今回は派遣社員の社会保険加入と時給の関係について挙げてみたいと思います。

派遣社員では社会保険には加入できないのでは?と考える人もいるかもしれませんが

条件を満たしていれば社会保険には加入できます。。というよりは加入しなくてはなりません。

ですが加入条件が少しややこしい事や最近条件の改正があった事に伴って曖昧になっている事や

社会保険加入を条件に賃金を一部カットする等の事例が見られる事もあります。

今回はそんな派遣社員の社会保険と時給について触れてみます。

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派遣社員の社会保険加入条件は?

さてそんな派遣社員の社会保険加入条件はどうなっているのでしょうか。

まず派遣社員が初回契約時から保険加入できる条件としては

・契約上の1週間の労働時間が通常の労働者(派遣で言えば派遣元の正社員)の概ね4分の3以上であること

(2016年10月1日からは契約上の「1週間の労働時間」が通常の労働者(正社員)の「4分の3以上」で

あることに加え、「1カ月の所定労働日数」が通常の労働者(正社員)の4分の3以上であることも条件)

・契約期間が2ヶ月を超える、または2ヶ月を超える見込みがあること

また初回契約時だけではなく契約更新時等に条件を満たせば社会保険に加入する事になります。

例えば最初の契約期間が1か月間でも更新時に3か月更新になり労働時間も条件を満たしていれば

社会保険に加入する事になります。また毎回1か月毎の契約更新であったとしても通算期間で計算

されるのでやはり2か月を超えれば加入条件に当てはまる事になります。

また 2016年10月1日からは短時間労働者の加入条件が追加されました。その条件としては
1週間の労働時間20時間以上であること

賃金の月額8.8万円(年収106万円)以上であること

契約期間1年以上見込まれること

学生でないこと

厚生年金保険の被保険者数500人を超える企業で就労すること

の5点が挙げられています。派遣を始めパートタイマーなどの短時間労働者の方に対して社会保険

の適用の拡大が始まりました。現在、配偶者の社会保険上の被扶養者になっている方は一定の条件を

満たすことにより、10月より社会保険料の負担が増加する可能性があります。

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社会保険に加入したくない?

さてそんな社会保険ですが以前は将来の年金受給に関しての関心や保険料負担の重さから社会保険に

加入したいと考える人が多かったように思います。しかし最近では若年層を始め、出来るだけ保険加入

したくないと考える人も増えているようです。年金制度の崩壊の声が多く将来自分が受給世代になる際には

満足な年金がもらえないのではないか、高齢者が多い日本では医療費負担が大きく病気にかかりにくい

若年層からは多くの保険料負担への不満・毎月の給与の低さから手取り給与額を少しでも多くしたいという

欲求等から、社会保険に加入したくないという人も多くいるようです。しかし条件を満たせば社会保険加入は

必須となり、事業主としても保険加入させない場合には罰則規定もあります。加入したくないという人の

気持ちも全くわからない訳ではありませんが労働保険や社会保険の大切さは保険適用する時になって

初めて気付く事も多い筈です。また派遣会社のマージン率が高すぎると声にする人もいますが、

社会保険料等の負担分ももちろんマージンの中に含まれています。会社が折半で負担してくれる訳ですから

加入条件を満たしている人は快く受け止めて加入しましょう。

社会保険に加入する為に時給を下げられた?

さて昔は条件を満たしていてもこっそり加入させない派遣会社も中にはあったものです。

このような状況を鑑みて派遣法改正時に社会保険加入を派遣先に通知する義務を設ける等の措置が

取られました。これに伴い社会保険加入を免れようとする派遣会社は少なくなりましたが、

社会保険事業主負担分を少しでも浮かそうと社会保険加入を条件としたスタッフの賃金カットを

する派遣会社もありました。このような行為を行う派遣会社は実際に今でも一部あります。

または社会保険加入を条件に交通費をカットしたり社会保険加入ありのコースと加入なしの

コースに分けて時給額を決める等の行為を行う派遣会社も今でも時々見かけます。

一見合法のようにも見える人もいるかもしれませんが、社会保険加入を条件に賃金をカットする

という事は見方を変えれば保険料の事業主負担分をスタッフに負担させているとも考えられます。

またスタッフの同意なく本来の保険料負担分以上の金額を給与から天引きする事も全額支払いの原則

からして許されるものではありません。

またこのような悪質な派遣会社がまだ一部で存在する以上は、派遣スタッフとしても事前に

確認を怠らない注意が必要になります。労働条件通知書や就業条件明示書等を確認し、保険加入が

なされないようであれば会社側に請求し、それでも加入できないようであれば社会保険事務所で

手続きを自分で取る事も検討出来るでしょう。

派遣会社としても利益を追求する以上はコストカットを余儀なくされる事は多いものですが、

それをスタッフの社会保険にまで転嫁させる事は許される事ではありません。一方で派遣先やスタッフ

としても自分が加入条件を満たしているか・加入が出来ているか等、都度確認をしておく事が

求められるでしょう。

今回は派遣社員の社会保険と賃金カットについて挙げてみました。

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