派遣会社や派遣先が倒産したらどうなる?
派遣会社や派遣先が倒産したらどうなる?
今回は派遣会社や派遣先が倒産した場合について挙げてみようと思います。
普段派遣社員として勤務している人にとって自分が登録している派遣会社が倒産するなんて事は
ほとんど想定していないケースかもしれません。または職場である派遣先が倒産したら自分の給与は
どうなるのだろう?と感じる人もいるでしょう。あまり現実的には考えたくないケースかもしれませんが
実際に似たような事例は過去にもあります。今回はそんな派遣会社や派遣先の倒産について触れてみます。
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派遣会社の倒産件数は僅かに減っている
派遣会社の収益悪化を耳にする事はありますが、それでも派遣会社の倒産件数自体は年々減っている
と言われています。近年では2009年に50件前後の派遣事業者が倒産に陥ったものの、それ以降は
減少傾向にあり2015年度では30件前後まで減っています。2009年あたりはリーマンショックに
よる派遣切りの影響はありそうなものの、やはり非正規雇用が多くなっている中で今後は派遣会社の収益が
改善していく傾向はあると思います。しかし今後は人材不足自体も増々懸念されるようになり、企業や
派遣会社側の人材確保が困難になってくる事も予想され、今後中小の派遣会社を中心に苦戦が強いられる
事が考えられます。派遣会社や派遣元がもしも倒産した場合の派遣社員への影響について挙げてみます。
派遣先が倒産した場合はどうなる?
まず派遣先である実際の職場が倒産した場合についてですが、派遣先が倒産しても派遣社員に対しては
大きな影響は考えにくい所です。派遣先が倒産しても派遣社員と雇用契約を交わしているのは
派遣会社になりますので給与を支払う義務も派遣会社にあり、これは派遣先が倒産しても変わりは
ありません。契約期間中に派遣先が倒産すれば残りの契約期間分の賃金は派遣会社から支払われる事に
なるでしょうし、派遣先が倒産すると派遣会社は新しい就業先を探す義務があり、見つからなければ
休業補償手当等の請求も可能かと思われます。休業補償であれば賃金満額とはいかない可能性がある事や、
中には手当をスムーズに支払ってくれない派遣会社も出てくるかもしれませんが、交渉が上手くいかない場合には
入社当時の雇用契約書や就業条件明示書などの資料を元に、労基署や労働局等に相談に行くケースも考えられます。
まずは事実確認をきっちりして行動を起こす事が大切です。
派遣会社が倒産した場合はどうなる?
さて派遣元である派遣会社が倒産したとなると少し面倒な話になってきます。
まず派遣会社が倒産した時にまだ登録をしていただけで実際に派遣先で就業した事がない場合には
当然賃金も発生していませんし契約関係もありませんので派遣社員にとっての大きなデメリットは
考えにくい所です。強いて言えばその派遣会社の登録自体が抹消となり、新たな派遣会社に登録に行く
手間が増える事くらいは想定されます。
ですがこの派遣会社から仕事を紹介され、既に派遣先で就業しており賃金が発生しているとなると
話は変わってきます。また派遣会社は倒産するほど財政状況が悪化している訳ですから、スタッフとしても
迅速な手続きが必要になってきます。あまりに手続きが遅れると、先立って他の債権者が差押えをしてしまう
可能性もあるかもしれません。
倒産が発覚した場合に必要な手続きは?
まず派遣会社の倒産が発覚した場合にスタッフが取る対応としては、自分がいつからいつまでどの派遣先で就業し、
いくらの未払い賃金が残っているかという事を書面化しておく必要があるでしょう。他債権者が存在する場合には、
スタッフへの未払い賃金の支払いが後回しにされてしまう可能性もあるため、未払い賃金についての存在を派遣会社
に認めさせる事で債権を確定させるという手続きが求められます。そのためにも「未払賃金確認書」等を作成
してもらい、派遣会社側に署名・捺印してもらう必要があります。もっとも一個人では派遣会社側が
このような法手続きにスムーズに応じるとは限らない為、他のスタッフと団結しユニオン等の組合に加入する等
して団体交渉に持ち込む事がベターと言えるでしょう。また派遣会社側の動向によっては労働福祉事業団に
「未払賃金の立替払制度」というものもあり、給料の立替払いを受ける事ができるケースがあるので検討して
みるのも一考です。
近年様々な部分で派遣において法改正が進んでおり、コストカットのため派遣先も正社員などの正規雇用を削り
派遣社員などの非正規を多く雇用し始めています。また現在では20代~30代の派遣社員が多く稼働
していますが、この世代の人口減少は今後も避けられない事であり、今後どの派遣会社や派遣先にとっても
倒産の可能性はゼロとは言えません。その意味では派遣スタッフ自身も将来に備えて普段からキャリアアップや
将来設計をしっかり図っておく必要があり、もし雇用主が倒産してしまった場合であっても、先々の身の振り方を
常に考えておく事は大切なのかもしれませんね。
今回は派遣会社や派遣先が倒産した場合について挙げてみました。
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