派遣先にも履歴書が送信されているって?

今回は派遣社員として勤務する場合の履歴書について書いてみようと思います。

派遣会社に登録に行く際には履歴書を持参する事が一般的かと思います。

もっとも今では履歴書不要の派遣会社も多くなっていますし事前にWEB上で入力していく方式も多くなっています。

または履歴書と併せて職務経歴書を提出させる派遣会社もある事でしょう。

 

どちらにしても履歴書等を提出するのは派遣会社に対してです。

雇用主は派遣先ではなく派遣会社である訳ですから当然と言えば当然ですね。

ところが実際の現場では派遣会社に提出したはずの自分の履歴書やそのコピーが自分の知らぬ間に派遣先へ提出されているというケースがあります。

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派遣先が派遣社員や派遣元へ履歴書の提出を求める事はNG

まず基本的に派遣先が派遣スタッフや派遣会社に対して履歴書等の情報を求める事は禁止されています。

主には労働者派遣法にて

「労働者派遣の役務の提供を受けようとする者は、労働者派遣契約の締結に際し、当該労働者派遣契約に基づく労働者派遣に係る派遣労働者を特定することを目的とする行為をしないように努めなければならない」

と規定されています。

 

履歴書は完全に労働者を特定する情報が詰まった書類ですから、契約の際にこのような書類の提出を求める事自体が禁止なんですね。

もちろんスタッフ自身が承諾している場合には例外もありますが、それでも派遣先が一方的にスタッフや派遣会社に対して履歴書の提出を求める事はNGとなっています。

また労働者派遣法だけではなく個人情報保護やプライバシー保護の観点からも履歴書を勝手に要求する事は禁止とされるでしょう。

 

紹介予定派遣は別

上記のように一般派遣では履歴書の送信が禁止されています。

派遣先企業が派遣会社やスタッフに対し履歴書の提出や面接を求める事は出来ません。

 

しかしこれが紹介予定派遣の場合には履歴書の送付を含め、スタッフの特定行為が許可されています。

履歴書の送信や事前の面接が紹介予定派遣では禁止されていません。

紹介予定派遣においては、派遣先会社が派遣労働者を特定する行為は、あくまで円滑な直接雇用を図ることを目的としており、公正と認められる範囲内においては履歴書の送付などの行為が認められています。

 

もちろんだからと言って特定行為が許可されているだけで、差別的な扱いが許されている訳ではありません。

性別や年齢による差別は紹介予定派遣でも禁止されている事は同じです。

しかし現実問題としては求人情報誌やネット求人等でも「30歳まで」等、年齢などによる選定が行われてる事が実際の所です。

 

実際の現場では提出されている場合もある

前述のように履歴書の提出を求めることは紹介予定以外では禁止となっていますが、実際の現場では規定通りにルールが守られていないケースというのは散見されるものです。

実際に履歴書をFAXする派遣会社というのも中にはあるかと思います。

 

大手は規定を守っている会社も多いかと思いますが、中小の会社の中にはやはり履歴書のコピー等を派遣先に送信している事実も実際にはあるでしょう。

また一般的には派遣会社は履歴書ではなくスキルシートのような書類を派遣先へ提出している事が普通です。

ですがそのスキルシートの内容も様々で派遣社員の情報を配慮したものもあれば、履歴書の情報とあまり変わらないような内容のシートもあったりします。

また派遣先と派遣会社の関係内情もあったりしてあまりに派遣先からの要望を断ってばかりいると派遣会社としても派遣先との関係が悪化しないとも限らない事から、ある程度要求に従わなければならないケースもあるのでしょう。

 

派遣先の立場からしても高いお金を支払って派遣社員を派遣してもらう訳ですから、私的な感情は別としてもどのような人物が派遣されてくるのか・自社の仕事のスキルに見合った人材をよこしてもらえるのか・といった不安が募る気持ちも全くわからない訳ではありません。

また履歴書で言えば本人の顔写真はもとより年齢や住所・性別や家族関係・過去の職歴・容姿などが判別できる為、履歴書を見たいという気持ちにかられる

のは自然と言えばそうなのかもしれません。

極端な例ですが例えば派遣先が化粧品販売の会社であった場合、その女性の容姿や化粧栄えでその店の化粧品の売上げが左右される事も予想され、法律と実際の現場でのギャップが生じるケースもあるのでしょう。

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しかし履歴書の中には性別や趣味・家族関係や容姿などプライバシーに関わる情報も多数記載されている事が多く、仮にプライバシー情報が記載されていない履歴書であったとしても本人が派遣先へ提出される事は承諾していない事が普通ですので、やはり派遣先が勝手に履歴書の提出を求める事はNG行為となります。

派遣先がどうしても履歴書の提出を求めてきたのであれば拒否する事はもちろん可能ですし、もし提出するとしても自分が許容できる範囲内での情報提供を検討しても良いかと思います。

 

派遣スタッフが実際に勤務するのは派遣先であり、仕事をもらう立場である以上はなかなか簡単には断りにくい状況に陥るケースもあるかと思いますが、とは言ってもプライバシー侵害は大切な問題です。

自分が許容できる部分とそうではない部分の線引きを明確にして主張できる部分は主張し、派遣先との良好な関係を築いていきたいですね。

 

履歴書は手書き?PC?

さて今回の問題とは全く関係のない話ですが、履歴書を派遣会社に提出する時に、手書きにするかPC入力したものを提出するかといった点で悩む人もいるかと思います。

特に数年前からの風潮で「履歴書は手書き・職務経歴書はPCで」といった雰囲気もあったので、余計に迷ってしまう人もいるでしょう。

 

前述したように原則としては派遣先へ履歴書が提出される事はありませんし、派遣会社側も現在ではPC入力の履歴書の提出が一般化されてきているので、手書きでないからと言って特に失礼と捉われる事はないと思います。

 

手書きとPCのそれぞれのメリットを考えてみると、手書きではその人の人格や個性が出やすい・人柄が相手に伝わるといったメリットがあります。

一方でPCでは作成スピードが速い・文字が定型なので誰でも読みやすい・後に繰り返し利用でき、編集もしやすいといったメリットがあります。

それぞれに一長一短がありますが、派遣会社からしても指定はない事がほとんどですので、自分が提出しやすい方を選択すれば良いと思います。

 

また派遣会社や派遣先企業の社風・雰囲気に合わせるといった配慮も必要です。

例えば派遣会社に中高年のスタッフが多かったり、派遣先が個人店等であれば手書きが好まれるケースもあるでしょうし、IT系の企業であればPC入力が常識という認識の企業もあるでしょう。

履歴書は相手が受け取ってどのような印象を持たれるか・読みやすい文字かどうか等が大切になってくるので、受け取る相手側の状況や雰囲気を考慮して、手書きかPCの選択を考えてみるのも良いかと思います。

 

派遣先にも履歴書が送信されている?まとめ

派遣先への履歴書の送信について挙げてみました。

このように履歴書が派遣先に送信されるケースは最近では少なくなっているようですが、それでもどこまでの情報が派遣先に渡っているのかは派遣会社によって異なる場合があります。

そのためルールを遵守した派遣会社を選びたいのであれば、やはり大手の派遣会社がおすすめです。

大手の派遣会社では法令を遵守した会社が多く、また求人数やサポート力・待遇面や福利厚生でも有利になります。

こちらの記事でもおすすめの派遣会社についてご紹介していますので参考にしてみてください。

参考記事:おすすめの派遣会社はこちら

 

今回は派遣先への履歴書の提出について挙げてみました。

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