今回は派遣の職場見学についてです。
派遣社員として勤務する場合、事前に職場見学をする事が一般的です。
何の為に職場見学をするかと言えば、やはり事前に実際の職場を見ておく事によって自分がその職場で勤務していけそうかどうか、どのような人達が働いているのか、事前案内で説明された内容に相違がないか等を確認する目的があります。
また職場見学で派遣先の担当者と初顔合わせになるケースも多く、実際にはお互いに事前に人物確認をする意図もあるかと思います。
中には職場見学無しで就業開始という職場もありますが、そこは派遣先と派遣会社の取決め次第です。
気になる人は職場見学があるのかどうか、事前に担当者に確認してみるのも良いでしょう。
事前の面接は禁止されている
意外に知らない人も多いのですが、そもそも派遣先が派遣社員と面接をして採用の可否を決める事は禁止されています。
あくまで雇用主は派遣会社であって採用の可否を決めるのは派遣先ではなく派遣会社だからです。
ただし顔合わせ目的等であれば全て禁止という訳でもなく、「面談」や「顔合わせ」であればスタッフと直接接触することが可能です。
ですが実際には顔合わせと称しながら、派遣先が労働者を特定するための行為が行われているのが実情です。
面談後に派遣先が派遣会社側にこの人物を採用して欲しいと伝えたり、面接テストのようなものを行わせて知識レベルを計り採用を決定していたりする事もあります。
より具体的には以下のような行為が禁止とされています。
- 事前面接
- スタッフの履歴書の提出要請
- スタッフの年齢で限定をする
- スタッフの性別で限定をする
- 適性検査の実施など
事前面接については難しい問題ではありますが、いくら雇用主が派遣会社だとは言っても派遣先は派遣会社にとって顧客であり、派遣先が強い立場にある事はよくある事です。
また派遣社員としてもいくら事前面接が禁止されていると知っていても、派遣先の面接を断れば実際に仕事に就けない事態も想定される事から、なかなか簡単には職場見学を断れないというのが現状かと思います。
また事前面接の禁止がかえって派遣の促進を妨げるという声もあり、今後解禁の流れに進んでいく可能性もあります。
職場見学がどのような内容なのかにもよりますが、現時点ではあくまで職場の雰囲気を知るための見学に留めるようにしたいところです。
派遣の職場見学で質問される事は?
派遣の職場見学で質問される内容は派遣先の担当者によって大幅に異なります。
細かに質問してくるケースもあれば、世間話程度で終了する場合も多々あります。
派遣の職場見学では一般的には以下のような質問が想定されます。
- 自己紹介をしてください
- 過去の職歴について説明をしてください
- 残業は対応可能ですか?
- スキルを教えてください
- この仕事・職種を選んだ理由は?
- 職場までの交通・所要時間は?
- 家族の転勤の予定は?
- 自分の短所・長所を教えてください
- ○○作業への抵抗はありますか?
- 前職の退職理由を教えてください
あくまで上記は一般例ではありますが、どのような質問をされても回答ができるように自分なりに準備をしておく事が大切ですね。
参考記事:派遣の顔合わせで質問される30の項目
派遣の職場見学の服装は?
派遣の職場見学ではどのような服装で臨めばよいか困ってしまうという人もいるかと思います。
職場見学においては、一般的にはスーツorオフィスカジュアルが望ましいとされています。
落ち着いた色のジャケットやスカート等、きちんと感や清潔感のある服装が好まれます。
髪型もきちんとまとめ、化粧もナチュラルに留め、臭いのきつい香水等も避けるなどの配慮が必要です。
またもし職場見学の服装に困ってしまった場合には、派遣会社の担当者に直接聞いてみましょう。
派遣先によって職場の雰囲気は異なり、その場に応じた服装が異なるケースもあるからです。
例えば派遣先が製造・工場内で、職員が全員作業服を着用しているのに、スタッフがスーツで臨むと少し浮いてしまう場合もあります。
派遣会社の担当者であればその職場に何度か足を運んでいて、職場の雰囲気を把握している筈ですので、事前に服装を相談してみると良いですね。
派遣の職場見学を辞退するには?
派遣の職場見学を辞退することは出来るのでしょうか。
せっかく職場見学まで話を進めてもらっただけに、話を断りにくいというスタッフさんもいるかもしれません。
ですが職場見学を辞退することはもちろん可能です。
職場見学の前に辞退を申し出ることも出来ますし、職場見学後にお話を断ることも出来ます。
会社側がスタッフを選択するように、派遣スタッフ側にも辞退できる権利は当然にあります。
むしろ曖昧な返事をしたり返事に時間がかかってしまう方が余計に派遣会社に迷惑をかけてしまうので、どうしても辞退をしたい時にははっきりとその旨を申し出るべきです。
また職場見学を辞退する場合の注意点としては、やはり「早めに担当者に伝える」事です。
職場見学の前日や当日に辞退されても担当者としては対応に困ってしまう場合もありますし、職場見学後にいつまでも返事をしないのは派遣先にも迷惑をかけてしまいます。
もしどうしてもお話を辞退したい場合には早めに派遣会社の担当者に伝えるようにしたいですね。
参考記事:派遣の顔合わせ・職場見学を辞退するには?
派遣の職場見学後に不採用になった?
派遣スタッフの間では「職場見学まで進めば受かったも同然」という噂話のようなものが一部であるようです。
ですが実際には職場見学まで進んだとしても、不採用になるケースは多くあります。
通常は職場見学終了後、当日~3日程度で採否の連絡がきます。
正確なデータや確率が存在する訳ではありませんが、あくまで私見では職場見学まで進んだとしても確率は五分五分程度に考えておいた方が良いのかもしれません。
不採用になる理由としては幾つか考えられますが、一般的には以下のような理由が考えられます。
- スキル不足
- コミュニケーション力の不足
- 担当者との相性
- 派遣先の年齢構成
- 競合他社に負けた
- スタッフの年齢・性別
上記は不採用になる一般例ですが、その他にも様々な理由が考えられます。
ですが残念ながら100%採用される方法というのはどの会社の人事でも存在しません。
そのため不採用になったとしても、自分が望む求人が発生すればその都度積極的に受け続けるしか方法はありません。
不採用になったとしても落ち込んでいても前進はしませんので、ポジティブに捉えて次のお仕事にエントリーしていきたいですね。
派遣の職場見学で名刺は必要?
派遣スタッフさんの中には「職場見学ではスタッフも名刺が必要なの?」と考える方もいるかもしれません。
ですが派遣スタッフさんは自分で名刺を用意する必要はありません。
職場見学においては派遣会社の担当者と派遣先担当者が名刺交換をする事はありますが、スタッフは不要です。
また派遣先での就業が決まった場合、仕事で社外の人に会うケースが多い職種では、派遣社員でも名刺を用意する必要性が生じることもあるかと思います。
この時に名刺を用意する必要があるかどうかについては派遣先側の規定等にもよりますので、派遣先の指揮命令者等に相談してみるようにしましょう。
また派遣先企業側が名刺を支給してくれるのかどうか・派遣先の会社名を名乗って良いのかどうか・派遣元会社名も併せて記しておく必要があるのかどうか等も確認しておくと良いかと思います。
派遣の職場見学の感想は?
派遣の職場見学を終えた後のスタッフさんの感想は様々なようです。
ここではスタッフさんの感想の1つをご紹介します。
(27歳/ 女性/ 工場)
短期の仕事で工場の職場見学に以前行きました。
派遣会社の女性の人に同行してもらい、駅で待ち合わせをしてから他の派遣社員の人と3人で車で向かいました。
会社に着き、もう1人の派遣社員の人が私より先に面接をしました。
私はその後に面接をすることになりました。
面接室に入ると、室内には3人の男性が座っていました。
まずは派遣会社の人と派遣先の3人が挨拶をして私も挨拶をして座りました。
派遣先からの質問は「工場での仕事の経験はあるのですか?」「立ち仕事は大丈夫ですか?」という質問はされましたが、その他の質問はあまりされませんでした。
どちらかと言うと私の面接というよりは、派遣会社の付き添い社員と派遣先の人との話し合いという感じで、私はその話をただ聞いているといった感じです。
派遣会社の付き添い社員が誘導してくれて私の紹介をしてくれる感じで、全部で話は15分くらいで終わりました。
面接のみで工場内を見学するということはありませんでした。
会社を出て駅まで戻り、派遣会社の女性社員が先ほどの派遣先の人と打ち合わせをしてくるという事で、私達はその場で解散となりました。
その日の夕方に派遣会社から採用の返事をもらいました。
私の職場見学の感想としては意外にあっさりと終わってしまったという感想でした。
派遣の職場見学は未経験者は不利?
派遣のお仕事には未経験でも可能なお仕事が多くあります。
ですが未経験者からすれば「経験者と比較されると不利なのでは?」と感じる方もいるのかもしれません。
確かに職場見学では複数人で面談を行うこともありますし、競合他社のスタッフが存在するケースもあるでしょう。
また派遣社員=即戦力という側面から考えれば、経験者が優遇される案件も多いかと思います。
ですが未経験者だからと言って消極的になることは一切ありません。
むしろ未経験者である事を前向きに考えて職場見学に臨むべきとも言えます。
大企業等では未経験者を一から育てていきたいと考える会社もありますし、下手に中途半端なスキルが付いていると逆に教育しにくいと考える担当者もいます。
また例えその職種・業種が未経験であったとしても、今までの経験の中でその仕事に共通する点があれば、それは十分にアピール材料になる筈です。
また職場見学で未経験者が強調しておきたいのはやはり「熱意」「やる気」の部分です。
「未経験だからこそ一から学んでいきたい」「未経験ですが根気強さは誰にも負けない」といった熱意は担当者にも伝わります。
募集要項が未経験OKのお仕事であればチャンスは未経験者にも十分にあります。
未経験をマイナス材料に捉えず、積極的に自分をアピールしておきたいですね。
派遣の職場見学まとめ
派遣の職場見学について幾つか挙げてみました。
確かに現在では顔合わせや職場見学と称して、実質的な面接や選別が行われている風潮があります。
この点に関してはスタッフさん個人の判断にもよりますが、実際にお仕事に就くためには顔合わせを避けることが出来ない場合も多くあります。
職場見学に行ったとしても、派遣先の実際の現場の雰囲気や実態までは掴めないことも多く、職場の良し悪しは実際に働いてみないと分かりません。
ですがもし職場見学で不採用になったとしても、希望のお仕事に就くためには、やはりめげずに何度もお仕事にエントリーする必要があります。
確かに職場見学に行ったからと言って必ずしも採用されるとは限りませんが、何度も受け続けることにより採用される確率は徐々に高まります。
そのための事前準備として、過去の職歴や志望の動機・自分のアピールポイント等はきちんと答えられるようにしておきたいですね。
あきらめずに自分が納得できるお仕事がが見つかるまで根気強くお仕事を探していきましょう。
今回は派遣の職場見学について挙げてみました。